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ゆっくりと小説を書こう

小説の書き方やお役立ち本などを紹介するBlogです。「小瀬朧」名義で第9回ビーケーワン怪談大賞をいただきました。twitterでtwnovelや短歌などを発表中。

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投稿日:2025年07月09日(水)

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さよなら本屋

投稿日:2008年10月05日(日)

遠いけれども品揃えが自分好みだった本屋が模様替えした。もう行かない。

クルマで30分はかかるその本屋は地元の他の店にはないようなタイトルの本がけっこうあった。今の時代、よほどの大型書店でない限り、置かれる本の種類は無難なベストセラーやメジャーな出版社のものばかりだというのに、その店にはかなりマイナーな分野までいろいろなタイトルがあった。だから、この本屋で初めて知った本も多い。

しかし、今日その本屋に行ったら、それらの本がきれいさっぱり撤去されていた。一冊も残っていない。あるのはどこの本屋にも置いてあるタイトルばかりだ。もうわざわざ行く意味がない。

残念なのは、Amazonその他のネット書店で全滅していたある本を、前回最後に行ったときに買っておかなかったことだ。行くたびに立ち読みしていた。ああ、なんてこったい。

あーあ。
あーあ。
あーあ。


 

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ニュースって消えるのね

投稿日:2008年10月03日(金)

小説とはぜんぜん関係ない話だけど。

WEB上の新聞社のサイトって時間がたつと古い記事が消えてしまうんだね。去年ぐらいにブックマークした記事をさっき見ようとしたらすでになくなっているんだ。たいした記事じゃないからいいけど、たいした記事じゃないからこそメモをとらずにブックマークで済ましていた。

WEB上の情報が消えないってのは、自分が持っている思い込みの一つだった。実際は、思いのほか簡単に消えてしまう。そりゃ容量の問題があるからね。とくに新聞社のサイトなんかテキストだけでも膨大な量になってしまうだろうから、古い情報は容赦なく消してしまう、これは当然のことだ。

そんなことを考えながら、惰性でブックマークの整理をはじめたら、ニュース以外でも消えてしまったサイトやページがたくさんあることに気づいた。ブックマークするからには、何か役に立つだろうと思っていたのだけれども、役に立てようかなと思ったときにはすでに消えてしまっているのだから、脱力するしかない。404のページをぼうっと見つめながら、ああ俺はかつてここで何を見たのだろうか、としんみりしてしまうのだった。

インターネットアーカイブというサイトは有名だ。インターネット上に存在するサイトを保存しておいてくれるというとてもありがたいサービスだ。過去に一度くらいは感謝しているような気がする。使うことはほとんどないけどね。

※ちなみにここ。
Internet Archive


とりあえず、少しでも有用だと思った情報は自分の手で保存しておくのがいいだろうな。

はじめてのどくしょかんそうぶん

投稿日:2008年10月02日(木)

どくしょかんそうぶんってなに、と母に聞くと「えー。わからない」と答えた。わからない、では困るのだ。初めての夏休み、初めての宿題がどくしょかんそうぶんとやらだからだ。

本を読んで何かを書くことはわかっている。夏休みが始まる前に、クラス全員が図書室に行って一人一冊、本を借りた。借りた本は夏休みの間に読んで、どくしょかんそうぶんを書くのが宿題だという。俺は絵本を借りた。題名は覚えていない。どくしょかんそうぶんを書くための原稿用紙も配られた。自分で買う必要はないのがうれしい。

ところが、肝心のどくしょかんそうぶんが何のことだかわからない。わからないはずはなかろうと言われても困る。このときはまだ小学一年生、それ相応の知能と知識しかない。「かんそう」などという抽象的な概念が理解できるはずもないのだ。

ほんをよんでかんそうをかくんだよ、と俺は先生から言われたままを母に言う。でも、かんそうってなに。それがわからない。母にどんなに聞いても「わからない」の連発だ。自分の親だから言うが、ちょっと足りていない。

8月31日も夜の8時を回った。明日から学校だ。どくしょかんそうぶんをなんとしてでも書かないとならない。すでに俺は半泣きだ。もちろん、自業自得なんて言葉はまだ耳にしたことすらない。母が「なんで最後の日にいうの!」と怒り始めた。知るかいな。気づいたら今日だったのだ。夏休みは終わるものだった。ただそれだけだ。

どくしょかんそうぶんが何のことだかわからない俺と母が出した結論は、本の丸写しだ。本に書いてあることをこの原稿用紙に書き写せばいいんじゃないの、と母が思いついたのだ。繰り返すが、この当時、「かんそう」という言葉が何を示しているのかは俺にはわからなかった。だから、母の言葉に納得して、借りてきた本の文字を原稿用紙に一文字ずつ書き写していった。本といっても絵本だ。小学一年生レベルの絵本なら、文章量なんかたかが知れている。おそらく、今書いているこの文章の一段落文もないかもしれない。でも、このときの俺にとっては、先のまったく見えない、途方もない作業だったのだ。

途中から母が俺の字を真似ながらかわりに書いてくれた。時計の針が指す時間は、小学一年生の俺を不安にさせるだけ進んでいた。もう、子どもの時間ではない。テレビでは見たこともないドラマをやっている。こんな夜中にまで起きている子どもは、世界じゅうで俺だけかも知れない。漠然とした罪悪感と不安感の入り交じった気持ちが涙にかわって目から流れ落ちた。(たかが夜の9時ごろなんだけどね)

「どくしょかんそうぶん」という音の響きが「読書感想文」という言葉に置き換わるのは、それからずいぶん経ってからだった。



右往左往

投稿日:2008年10月02日(木)

自分の考えが、まさに混沌としている。秩序そのものが死んでしまったかのようだ。

冷静に、だ。なるべく「自分」を遠くに突き放して見てみる。俺は何をやっているんだ、と気づく。互いに矛盾する考えが何食わぬ顔で同席していたりする。たとえば、言葉を捨てることに固執していながら、言葉を必死に集めていたりもする。現実を見よう見ようといいながら、抽象の世界に浸っていたりもする。書くことの重要さを噛みしめながら、ただ読書に耽っているだけだったりもする。

まず何をしたいのか。小説を書きたいのか、単に自己恢復のためのワークなのか、それすらはっきりしていない。いや、俺は小説は書きたいのだ。しかし、その声さえも、実は強迫観念が生み出した幻聴ではないかと思えてくる。俺は本当にそう思っているのか。そもそも、「俺」ってなんだ。いつから「俺」が生まれているのだ。Blogに書いているこの「俺」は、いったい何者なんだ。これを書いているのは俺に違いないけど、さっきから「私、私」と呼びかけてくる者もいる。

何だかんだ言いながら、すでに俺は言語の魔術的な力にからめとられていたのではないか。俺という存在そのものが、言語によって生み出されている。言葉を捨てようだなんて、俺は必死に親殺しをしようとしていたのか。それとも自ら命を絶とうとしていたのか。あるいは生んだ生まれたではなく、俺が言語そのものなのか。

ここで液晶ディスプレイを叩き割る幻想を見てみる。

俺の拳が液晶ディスプレイにめり込んでいる。破壊されたディスプレイからは、この言葉の一文字一文字がばらばらと落ちてくるはずだ。そのばらばらになった文字を現実の俺は拾い集めフンと鼻をならす。が、その光景すら、どこか遠いところにあるスクリーンに映し出された空虚な幻影だ。まぼろしだ。どこにも存在しない。俺の頭のなかにも存在していなかった。これが言語の魔術的な力だ。

戻ってきた。

これを打ち込んでいるとき、俺の外にある現実世界は何一つ変わっていないというのに、というより俺自身も何も変わっていないのに、世界が生まれた。それは一瞬なんだけど、ちょっと上を見ればほら、まだ残っている。ここに至るまでに連ねた言葉の数々が真実なのか虚構なのか誰にもわからない。少なくとも、俺の意識はほとんど介入していない。ただ闇雲にキーを叩いているだけのつもりだ。

右往左往からはじめた文章はここに終わる。



本を立って読んでみる

投稿日:2008年10月01日(水)

どこで聞いたのかさっぱり覚えていないが、ある人の書斎には椅子がなかったという。本は立ったまま読むからだ。立って読むことで集中できる、という話だったような気がする。誰の話なのかまったく覚えていないし、別に調べる気もない。

なぜこんな話を思い出したかというと、最近、本を読むとすぐに眠くなってしまうので困るからだ。読書の習慣がなかったからなのかなあ。ひどいときは1ページも読まないうちに寝てしまう。誇張ではなく、気づいたら朝ということが最近よくあるのだ。

本を読もうとしているにも関わらず眠くなるというのは、俺の脳が眠れ眠れと勝手に指令をだしているということだ。それはそれで頭に来る。抗したくなる。眠気を無視して本を読み進めようともする。そうすると今度は目の焦点が合わなくなる。頭がくらくらしてくる。身体が微妙に振動をはじめる。そこまでして俺の脳は俺に本を読ませたくないのか!

そこで立ち読みだ。部屋の中でも立って読む。これならどうだ。まさか俺の脳も、立っている状態の俺を眠らせようとはしないだろう。俺は俺に負けない。HAHAHAHA!

と思ったら、本を手にしたのはいいのだが立ち上がる気力が湧いてこない。なるほど、そうきたか。さすが俺の脳だけあってくだらないところで執念深い。意地でも読ませないつもりらしい。

とここまで書いて、もの凄く馬鹿らしくなってきたので、普通に立ち上がってみた。立ち上がってから、本を手にしてみた。オッケー。








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プロフィール

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小瀬朧
性別:
男性
自己紹介:
創作怪談、twitterの短文小説#twnovel、短歌など。
メールでのご連絡は benzine100@gmail.こむ スパム対策なのでこむをcomにかえてください。 


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