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ゆっくりと小説を書こう

小説の書き方やお役立ち本などを紹介するBlogです。「小瀬朧」名義で第9回ビーケーワン怪談大賞をいただきました。twitterでtwnovelや短歌などを発表中。

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投稿日:2024年03月29日(金)

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能うかぎり

投稿日:2009年04月07日(火)

困った。読めない。

「能うかぎり」という言葉が、たまたま同時に読んでいた本に現われた。「能う」が読めないし、意味もわからない。

まず、メディアファクトリーの『怪談文芸ハンドブック 』の「はじめに」でこう使われている。
 そして第二部「怪談の歴史を知る」では、古代から現代にいたる東西怪談文芸の流れを、能うかぎり作品に即して跡づけております。

もう一冊、三島由紀夫の『文章読本 』にも出てきた。
 もう一つはオーソドックスなやり方と考えられているもので、とうてい不可能ながらも原文の持つ雰囲気、原文のもつ独特なものを十のうち一つでも、能うかぎり日本語で再現しようとする、良心的な語学者と文学の鑑賞力を豊富に深くもった語学者との結合した才能をもつ人が試みる翻訳であります。

漢字から推測すると、おそらくは「できるかぎり」という意味だろう。「能」といえば「可能」「才能」「能力」「技能」「能才」「能弁」といった言葉を思いつくのだから、たぶんあっている。

しかし、それこそ思い込みというやつかもしれないし、意味はともかく読み方がわからないので辞書をひいてみる。まずは漢語林の「能」より。
【能】ノウ
(1)あたう。できる。たえうる。
(2)よくよくす。よくする。できる。「よく」と訓読しても、多くは「あたう」と同じ意である。
(3)はたらき。ちから。才能。「有能」
(3)ききめ。「効能」
(4)才能にすぐれている。また、その人。

(後略)

「あたう」なのかな。「あたう」で広辞苑をひいてみる。
あたう【能う・適う】
(1)できる。なし得る。堪え得る。
(2)適合する。

「能うかぎり」の読み方は「あたうかぎり」で、意味は「できるかぎり」ということで間違いないかな。
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才能の話

投稿日:2009年04月06日(月)

個人的には「才能」という考え方は好きではない。

かといって、「努力」なんて言葉はなるべく口にしたくもないし、頭のなかから叩き出したい。

いつものことだけど、広辞苑をひいてみる。こういう慣れ親しんでいる言葉ほど、厳密な意味を知らないかもしれない。
さいのう【才能】
才知と能力。ある個人の一定の素質。または訓練によって得られた能力。「-を発揮する」「-に恵まれる」

「才知」ってなんだろう。
さいち【才知・才智】
才能と知恵。物事をうまく行う、頭のはたらき。「きらめく-」「-にたける」

「素質」もよくわからない。
そしつ【素質】
個人が生まれつき持っていて、性格や能力などのもととなる心的傾向。特殊な能力などについていう。「画家としての-」


広辞苑をひく前の思い込みでは、「才能」とはうまれつき備わっている能力、すなわち自分の力ではどうにもならないことだった。しかし、解説に「または訓練によって得られた能力」とある。

そうなると、世間一般で耳にする「才能」云々が何を指しているのか怪しくなってくる。ある種の人の口癖になっている「自分には才能がないから」の「才能」が、生まれつきのそれを指しているのか、それとも何かしらの訓練の結果、自覚できた欠如なのかは察するのが難しい。

ただ、自分のことを棚にあげるなら、「才能」という言葉に期待していたのは、「努力」を避けるもしくは怠りたいがための言い訳だ。

才能があるから努力しないでもいいだろう。
才能がないから努力なんかするだけ無駄だ(つーか、したくねぇ)。

どうなんだろうね。

私は高校三年間、それなりにハードな音楽関係の部活動に勤しんでいたけど、最終的にわかったのは、自分には音楽の才能がない、ということだった。決して、努力を怠ってはいない。泣くほど部活に打ち込んだ。同級生のなかには音楽関係の学校に進む者も少なからずいたのだから、自分に能力がなかったという結論に落ち着く。

ところが、たとえば絵の才能については、やはりこれを有していないと思っているが、絵に関する教育や訓練はそれほど受けているわけではない。

今は知らないけど、昭和末期の小学校、中学校の美術の時間なんて、あってないようなものだった。週に一回の授業で、画用紙にお絵かきしたりネンドをこねたりするだけなのだから、それで何か才能が開花するとしたら奇跡だ。

念のため書いておくが、上であげた音楽とか絵の才能とは、単に歌がうまいとか作曲できるとか、絵が上手とか造形がうまいとかという次元の話ではない。個人が趣味で満足する分には、そもそも才能なんて大げさすぎる。

さて、それはともかく、ここは小説家志望のブログだ。音楽だの絵だのの例をあげておいて、小説の才能について触れないのはただの逃げ腰だろう。

でも、怖いよね。終わった話ならともかく、小説家になりたいというのは現代進行形の妄想なんだから、あまり冷静になって現実を認識してしまったら生きていけなくなる。(話はそれるけど、本当に「生きたい」と思っている人間なら、もっと他にやることがあるだろうね。こういうところがダメなんだ、俺は)

しかし、他人のことはなぜかよくわかる。

ネット上でいろいろな方々の作品を読んでいると、本人が気づいていない「才能」を感じることが多くある。なぜ「本人が気づいていない」とわかるのかというと、やりたいこと(書きたいこと)と「才能」を感じる部分が合致していなくて、空回りしているからだ。あー、なんていうか、本人が書きたいことと書けることがあっていないわけで、あまり具体的に書くと角が立つからごにょごにょ。マンガで喩えるなら、絵柄と話の内容が合っていないというような。本人はハートフルコメディを描きたいようなんだけど、できあがったものはどうみてもバイオレンスみたいな? そんなかんじで。

多くの場合は、なぜこの人はこんなに巧いんだ、と嫉妬しちゃうんだけどね。

これ言っちゃお仕舞いだろうけど、「才能」のある人に「努力」されたらかなわないよね。
 

わたしはパンが好きではありません

投稿日:2009年04月02日(木)

けれども母はおやつにいつもパンを買ってくる。焼きそばパンとかコロッケぱんとか、もう勘弁してくれ。

と、○十年言い続けているような。


広辞苑でパンをひいてみる。
パン【Pan】
ギリシア神話の牧畜の神。山羊の脚・角・髭を持つ醜男で、音楽・舞踊を好む。牧羊神。
そのパンじゃねーよ。

いや、そのパンでもいいかもしれない。最近、なぜかこっちのパンが気になって仕方がないのだ。

パンというとパニックだ。パニックの語源はこのギリシア神話のパンから来ている。私はそれを魔夜峰央の『アスタロト』で知った。ちょうど手元に『ギリシア・ローマ神話辞典』があるから、たまには繙くか。

解説の一部を引用する。
彼は牧人の神として、上半身は毛深い人間で、有髭、額に両角を備え、下半身は山羊で、足は蹄のある姿と想像されている。彼は身軽で山野を森といわず岩山といわず自由に馳せめぐり、茂みに身をかくしてニンフたちを待ち伏せし、彼女たちや美少年を追い、失敗した時には自慰行為を行なった。彼は真昼時に木陰で眠るが、これをさまたげる時には、怒って、人や家畜に恐慌(panic)を送る。彼はまた悪夢を送ると信じられていたが、しかし彼の送る夢がすべて悪いというわけではない。
(『ギリシア・ローマ神話辞典』より)
 

やっぱり気になる言葉には、何かしら自分の現状に関連する示唆が含まれている。そうか、私はパンだったのか、と不気味に納得してしまうのは、心の病からだろうかいな。

出来

投稿日:2009年03月28日(土)

雑誌社のサイトでよく「出来しました」と見かけるが、これを無意識に「デキました」と読んでいた。

……「し」がないじゃん。

となると、「出来」+「しました」なのか。「出来」は何て読むんだろう。意味はなんだろう。
しゅったい【出来】
(シュツライの転)
(1)事件の起ること。「珍事が-する」
(2)物事のでき上がること。成就。「近日-の予定」
(広辞苑より)

まあ、実は何かの本で読んだ、読み間違えやすい漢字に出ていたんだけどね。こういう簡単な漢字の組み合わせって、わざわざ辞書をひくことってないよね。だからずっと読み間違えてしまうんだ。

シュツライも出ているのかな。
しゅつらい【出来】
(シュッタイとも)
(1)現われること。出て来ること。
(2)事件が起ること。
(3)物事のでき上がること。成就。

シュツライだと「現われること」という意味もあるのか。

ついでにデキは出ているのかな。
でき【出来】
(1)できること。できあがること。しゅったい。
(2)できた状態。できぐあい。成績。「上-」「不-」「-のよい生徒」
(3)よくてきていること。すばらしいできばえ。また、もっともなこと。
(4)みのり。収穫。「-秋」
(5)売買取引が成立すること。「-高」
(6)(接頭語的に)にわかにできあがったもの、なりあがりの意。「-分限」

「出来」は「デキ」「シュツライ」「シュッタイ」と読み方によって意味が違ってくるということなのか。

ところで、「出来秋」って何。読み方と意味がわからない。
できあき【出来秋】
稲のよくみのった秋の頃。収穫の季節。

知らなかった。もうひとつ、「出来分限」って読み方と意味は。
できぶげん【出来分限】
(デキブンゲンとも)にわかに金持となること、また、その人、にわかぶげん。成金。

初めて知った。

姑息の誤用?

投稿日:2009年03月24日(火)

小説で「姑息な~」と書こうとしたら、ATOKが《使い方に注意》とかいってくる。

「姑息」なんて言葉に何を注意すればいいんだろうと思ったが、解説を見て驚いた。「姑息」には「卑怯な」とか「人をわなに陥れるような」という意味はないそうだ。

「姑息」を広辞苑でひいてみる。
 

こそく【姑息】
(「姑」はしばらくの意)一時のまにあわせ。その場のがれ。「-な手段」「因循-」


これはぜんぜん気づかなかった。今まで「ずるい」という意味で使っていた。こういう言葉って、なまじ知っているだけに、わざわざ辞書をひくなんてことないからね。ATOKが教えてくれなかったら一生間違えていたかもしれない。やっぱり文章書きにATOKは必要だ。

他に「ずるい」という意味の言葉だと「狡猾」が思い浮かぶ。けれども、念のため辞書でひいてみる。
 

こうかつ【狡猾】
わるがしこいこと。こすいこと。「-に立ち回る」


狡猾は間違えようがないかも。

わるがしこいというと「小賢しい」もそうかな。
 

こざかしい【小賢しい】
(1)利口ぶって、なまいきである。
(2)わるがしこい。
 

小癪はどうだろう。


こしゃく【小癪】
(コは接頭語)こざかしいこと。生意気なこと。


ああ、小賢しいと小癪が同じ意味ってことか。

ところで、「こすい」ってなんとなく方言だと思っていた。中学のとき流行ったんだよ、「おまえ、こすいぞ!」って言い回しが。もっとも、中学生男子が喜ぶ別の意味でだけど、それは語感で察してね。
 

こすい【狡い】
(1)わるがしこい。ずるい。
(2)けちである。吝嗇(りんしょく)である。
 

なんだ、「こすい」は「狡い」って書くのか。……ってことは、もしかして今まで「狡い」を「ずるい」と読んでいたのは間違いなのか。
 

ずるい【狡い】
(1)しなければならないことを巧みになまけたり自分の利益を得たりするために、うまく立ち回る性質である。狡猾である。わるがしこい。
(2)しまりがない。ふしだらである。


「狡い」は「こすい」とも「ずるい」とも読むのか。

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