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ゆっくりと小説を書こう

小説の書き方やお役立ち本などを紹介するBlogです。「小瀬朧」名義で第9回ビーケーワン怪談大賞をいただきました。twitterでtwnovelや短歌などを発表中。

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投稿日:2017年09月25日(月)

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悪い人はいない

投稿日:2009年05月14日(木)

自分にとって明確な悪人が存在しないということは苦しい。

本当は小説のなかのキャラクターにしゃべらせるつもりだったが、自分の不幸の原因を誰にも責任転嫁できないというのは生きていてつらい。そういう人は真面目であればあるほど、我が身に起ることすべての原因は自分にあると思ってしまう。自業自得という言葉にどうしようもない実感を抱くようになる。

これが若いころだったら、親が悪い、学校が悪い、社会が悪い、友達が悪いなどと適当に決めつけることで、それなりに心の安定を保っていた。けれども、成長するにしたがって、親は悪くない、学校も悪くない、社会も悪くない、友達も悪くないと気づいてしまう。それを認めたくないがために、意固地になって、いつまでも子どもの心を持ち続けようともするが、限界がくる。

私自身の話になるなら、今ヒキコモリニートをやっているのは、自分に責任がある。正直なところ、誰かに責任転嫁したくてたまらないのだが、いくら歪んだ思考を展開してみても、だーれも悪くない。むしろ、他人の指図に従うのが嫌で、自分で選び続けた人生なのだから、幸せの絶頂のはずだ。

それはともかく、小説の話に戻るなら、主人公に障害をもたらす悪役はいるとしても、その人物に悪を貫き通してもらうのは難しいと気づいた。そもそも、悪って何、という避けられない問いに、作者である自分がはっきりと答えられない。

そこで、悪なんてものはなくて、相容れない思想や主義のぶつかり合いが障害なのだ、と考えるようになる。それはそれでお決まりの形式なんだけど、書いているうちに主人公じゃないほうに感情移入するようになったり、逆に主人公のほうこそ悪人じゃないかという状況になったりするのが困る。読み手の「けっきょく誰が悪いわけ?」という声が聞えてきそうになる。

こんなことで悩んでしまうのは、たぶんなんだけど、いわゆる勧善懲悪の物語によって自分が育ってきたからかもしれない。幼少のころに見たアニメやマンガやドラマは、作者の真の意図はともかく、ぱっと見たかんじではつねに悪を懲らしめる話のはずだ。具体的な年代や作品は、年がばれるからあんまり書きたくない。

ここまで考えてみると、冒頭で書いた「自分にとって明確な悪人が存在しないということは苦しい」なんてのも、実は、幼いころに受けた影響をいまだに引きずっているだけなのかもしれない。


 

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コメント

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いるよ

バイトや社会人なってからですね、
周りの悪人が多くなったのは。未遂や共犯になりかけた事もありましたよ。某SNSでは発表しましたが反応0でした。世の中まだまだ知らない事あります。もっと社会にもまれたいですよ。
出来れば錦さんにはもっと色んな事を経験してほしいですね。

>>小生さん

小生さんこんにちは。

おっしゃるとおり……なのかな。
世の中知らないことはまだまだ多いのですね。
人生の先輩である小生さんにはいろいろご教示願いたいところです。

勧善懲悪と小説

 自分の場合、キャラクターの好悪は、完全に、善悪とは、関係ないですね。このばあいの悪というのは、一般的な意味での悪です。錦さんの言われる、勧善懲悪の悪。換言すれば、最小公倍数の悪ということです。
 話しを戻して、好悪ですが、私は、善でも悪でも品格というものがあると思います。品格とは何かと、問われると、簡単には答えられませんけど。そういうものを計る物差しが、自分の中にあることは、たしかです。
 善と悪の問題ですが、これはものすごく深い問題ですね。自分の立場を明かにすると、一言に凝縮できます。
 「悪人正機」
 善と悪を峻別する能力は、人間にはないと思っています。何か、ベクトルを用意しないと、両者の区別はできません。しかも、あるベクトルに適用できる善悪は、他のベクトルには、適用できず、その上、ベクトルは無数に設定できます。これでは、何が悪で、善なのかわからなくなってしまいます。
 はたして、このことは、小説にとってはどうなのでしょうか。
 これが明確なのが、従来の「勧善懲悪」型の物語なのですが、これは、もはや、飽きられているような気がします。
 しかし、現在の作品に触れてみると、それはなお、隠然と存在するような気がします。この正体いんついては、研究する価値があるような気がします。
 私は、これを破壊したいと、密かに野心を抱いているのですが・・・・・・。
長くなりましたが、一緒に考えていきましょう。

>>ueno さん

uenoさんこんにちは。

観念としては、善と悪は一対の切り離せない、ある力関係だと私は考えています。喩えるなら、それは磁石の両極であり、善だけをよしとし、善だけを追い求めるのは、磁石のモノポールを探す行為に思えてなりません。
そう考えると、勧善懲悪の物語というのは、一つの調和の形式であり、すなわち、悪があるから善もあり、善があるから悪もあるという、それだけのことになります。
では、その善と悪が、概念ではなく具体的に何を示すのかとなると、それこそ答えの出しようのない泥沼の話になりますよね。
一般の方が思い浮かべる悪というのは、犯罪行為に該当するものが主ではないでしょうか。それこそ、
uenoさんの指摘するとおり、人間が絶対的な善悪を区別することなどできないのですから、結果として、あるルールに従うか従わないかという相対的な判定に頼ることになります。

さらには、これが(哲学ではなく一般的な)道徳や倫理における善悪になりますと、単純に、他人の気持ちをどれだけ忖度できるかという、いわば想像力の話になるのですから、非常にあやふやで頼りないのです。

uenoさんと同じ考えをもっているのですが、私は、善も悪も、それぞれが美しく、品格のあるものだと思っています。ですから、一般的に悪といわれる醜いものは、正しくは「堕落」と呼ぶべきではないかとも思います。悪は堕落ではありません。

ともあれ、コントラバスでは、沙織が悪の象徴であると私は位置づけています。もちろん、上で書いた信念がありますから、単純に「いじめる側だから悪」では決してありません。初めて明かすのですが、私の脳内では、沙織はアスタロトのビジュアルに近いのです。かといって、では清美がその対極の善かというと、そんなことはなく、清美は一般人代表ぐらいの思い入れしかなかったりします。

とかいいつつ、筆力が追いついていないのが哀しいところです……。

無題

アスタロトですか?
言われてしまいました、私も、同じことを考えていたのです。
 しかし、悪=堕落という図式を思い浮かべることはできませんでした。さすがですね。

 清美が一般人ということですか、おそらく、小説においては、主人公がその役割を演ずることが、求められていると思います。すなわち、ごく一般人の目で、奇異な存在を見るということです。読者は、彼等を通して、自分が体験できない世界を、楽しむことができるのではないでしょうか。
 
 だから、主人公は、アムロであって、シャアでないのでしょう。

>>ueno さん

実のところは、魔夜峰央先生の一連の作品における世界観に影響を受けているだけなので、早い話が、やっぱりキャラクターとしての「アスタロト」です。真の悪は堕落ではない、というのもアスタロトの受け売りだったりします。たぶん。

「だから、主人公は、アムロであって、シャアでない」は怖いぐらいに説得力がありますね。これまで自分が抱えていた主人公とはなんぞやという疑問を一気に氷解させる勢いがあります。

無題

こんにちは。

私も先日、同じような内容を考えておりました。
私も「究極の」悪人を書くことが出来ないでいます。しかし「全くの悪人」とはどのようなものか全く想像が付きませんし、言ってみれば、そこまで「世間から嫌われる」存在が自分に書けるかどうかも解りません。

だからこそ、自分の書くものはぼんやりしてしまうのかなあ、とも思い、少々困っています。
……難しいですね。
基本的に自分の書く登場人物は皆好きでありたいと思う心が、逆に弊害になってしまっているのでしょうか?

>>さくらさん

さくらさんこんにちは。

難しい話ですよね。
けっきょくのところ、物語のなかでの悪とは、主人公とは反対側の立場の人たちにすぎなかったりしますよね。
やっぱり、「○○にとっての悪」となるので、究極の悪人とか全くの悪人というのは想像がつきません。
そうなると、勧善懲悪の物語は娯楽であって、文学にはなり得ないのでしょうかね。

さくらさんと同じで、私も自分の書く登場人物はみんな好きです。本当に嫌える存在は書けないのかもしれません。

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