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ゆっくりと小説を書こう

小説の書き方やお役立ち本などを紹介するBlogです。「小瀬朧」名義で第9回ビーケーワン怪談大賞をいただきました。twitterでtwnovelや短歌などを発表中。

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投稿日:2024年04月24日(水)

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『博士の愛した数式』

投稿日:2010年02月15日(月)

 昨晩眠れなかったので、適当に本の山から取り出した本。読んでみたら面白く、夜中の3時までかかって一気に読み終わりました。

第1回の本屋大賞を受賞した作品として書名はかなり前から知っていました。じっさいに購入したのは、前田塁『小説の設計図』で取り上げられているのを読んでから。別に『小説の設計図』が巧い宣伝になっていたわけではありません。ただのきっかけです。むしろ、変な先入観を植え付けられてしまった、と読み終えた今では思うぐらいです。

記憶障害の老数学者と美しい数式の世界をモチーフにしているのですが、当初予想していたインテリ臭は一切なく、ひたすら「愛情」を感じさせるストーリーでした。

読み終わった後、こんなにも長く余韻に浸れる作品は久しぶりです。


うーん。やっぱり何らかの評価を得ている作品はとにかく読んでみるべきなんだろうかなあ。


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ΑΩ(アルファ・オメガ)

投稿日:2010年02月13日(土)

 夜中ずっと読んでいました。読み終えたら朝4時。変なテンションになれる良作でした。小林泰三『ΑΩ[アルファ・オメガ]』です。

で、やっぱり思うわけですが、「ウルトラマン」の存在を知らない全く無垢のまま本作を読んだ人はどういう感想を持つのでしょうか。気になります。できることなら、自分の記憶から「ウルトラマン」だけ一時的に消してもう一度読んでみたいところです。不可能ですが。

変な先入観があって今まで読まなかったのが悔やまれます。




メモ帳片手に図書館巡り

投稿日:2010年01月24日(日)


プリンタが壊れて「借りる本リスト」が出力できないので、仕方なく100円ノートを一冊おろしてリストを書き写しました。

ノートには、図書館の頭文字、タイトル、棚番号、分類番号が書いてあります。図書館の頭文字というのは、私の住む市には図書館が数カ所あるからです。合併した町村の数だけ図書館が存在します。

今日はそのなかから2箇所を選び行ってきました。インターネットであらかじめ蔵書検索してありますので、指定された棚番号に一直線に向かって探し出すだけです。便利ですね。

今回は全部で7冊。文芸作品はなく、文章の書き方系の本ばかり。頭につめこめるだけつめこみます。

58、そしてリミッターを外せ

投稿日:2010年01月20日(水)

2009年の11月に初めて図書館を利用しました。社会人になってから、つまり学校を卒業して以来、初めて図書館に足を踏み入れたわけです。

「本は買って読むもの。借りるなんて絶対ダメ」という信条がありました。しかし、そんなのは通俗的なビジネス本に影響を受けただけの考え方ですから、簡単に崩れ去ります。一度借りただけで態度は一変し、今は図書館のとりこです。だって、タダなんだから。

借りた本は記録に残しています。数えると58冊になっていました。自慢に聞えますか? それとも、その程度か、と呆れますか? 大好きな漫画家、魔夜峰央先生はデビュー前に半年間で750冊読んだそうです。
とにかく大学をやめて半年間は本ばかり読んでいました
外国のSFと推理小説をメインに半年で750冊くらい読みました
一日4冊以上ですから今考えるとすごい量です
(「黄昏マンガ家ミーちゃんのSFですよ」の1話より。『トワイライト 大禍刻』所収)

すごい、と唸ったのは当然ですが、同時にこう考えました。

「もしかしたら、俺って自分で勝手に限界をつくっていないか?」

読めるか読めないかの問題ではなく、最初から思いつかない。極端な話、「本は一日に1冊読むもの」と思っているうちは一年に365冊しか読みません。あるいは、「一年に1000冊読めたらすごいよなあ」と考えているなら、魔夜峰央先生の半年で750冊には届きません。

それに気付いたら、あとはもう読みまくるべきなのですが大きな問題がありました。

それだけの本を買うお金がないというきわめて現実的な問題ですが。

そこで図書館に行き着きました。貸出期限と冊数は決まっていますが、それさえ守れば好きなだけ読めます。ちょっとした本なら借りるまでもなく館内で読み終えることもできるでしょう。

うれしいことに、地元の図書館はインターネットから蔵書を検索できますので本を探す時間を大幅に短縮できます。読みたい本があるときは自宅のインターネットからまず蔵書検索し、あれば借りに行きなければ本屋で探します。以前のように、闇雲にBOOKOFFや新刊書店巡りをする必要がなくなりました。

もちろん、本当は本を買って手元に置いておきたいのですよ……。










星への旅

投稿日:2009年03月11日(水)

吉村昭の影響は怖ろしい。本当に、眠れなくなった。

先日「少女架刑」を読みたくて購入した短編集『星への旅』には六編の作品が収められているが、徹頭徹尾、「死」を題材にしている。

「少女架刑」は十六歳で死んだ少女の死体が解剖される話。貧困家庭のため、死体は大学病院に売られ(劇中で香奠料として三千円が渡される)、学生たちによって切り刻まれる。

「透明標本」は「少女架刑」にも登場した人間の骨標本作りに執着する男の話。

「鉄橋」は、あるボクサーの轢死から始まり、轢死に終わる。途中、推理小説風になるが、結局は轢死。

「石の微笑」は、墓場から石仏を盗む手伝いをさせられる話。それに心中が絡んでくる。

「白い道」は空襲後の話。所々に死体が転がる道を帰る。

表題作の「星への旅」は、集団自殺をする青年たちの話。
「岩はいやなんだ、岩はいやなんだ、痛いからいやなんだ」


正直に書くと、かなり好きだ。

自分に死を愛好するという嗜好もないわけではないが、これらの作品はすべて、自分がかつて見た悪夢を忠実に再現しているように思えるのだ。もちろん、それはデジャブの一種で、作品を読んだことによって、頭のなかにあった夢の断片がストーリーを伴って再構成されただけだろう。さらには、不謹慎になるが、自分に眠る自殺衝動をくすぐられているともいえる。

しかし、だからといってこれらの作品が死に対する感情を麻痺させているのではない。まったく逆で、死への感覚が研ぎ澄まされる。(念のため、死にたいという気持ちが増すのではないことは断言しておく)

いわば、火葬場の炉の扉を見つめているときの気分にそっくりだ。

年をとるにつれ、嫌でも火葬場に行く回数は増える。耳の奥で、ヒトを焼くごおごおというあの音が、今も響いているよ。私も、いつか必ず、あそこに入るんだなあ。

死にたくないという切望と、死なんてただこれだけのことかという拍子抜けが同時に心のなかに発生する。そんなかんじ。









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プロフィール

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小瀬朧
性別:
男性
自己紹介:
創作怪談、twitterの短文小説#twnovel、短歌など。
メールでのご連絡は benzine100@gmail.こむ スパム対策なのでこむをcomにかえてください。 


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