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ゆっくりと小説を書こう

小説の書き方やお役立ち本などを紹介するBlogです。「小瀬朧」名義で第9回ビーケーワン怪談大賞をいただきました。twitterでtwnovelや短歌などを発表中。

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投稿日:2024年04月25日(木)

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人物描写の練習方法?

投稿日:2009年02月13日(金)

小説を書く上で人物の描写は避けて通れない。じっさいに書いてみて、最近ようやくわかったことだ。

描写とは何か、これは前回の記事で扱った。言葉の意味を辞書で調べると、描写とは対象を客観的に表現することであるとわかった。
参考:ゆとしょ! ゆとりある俺の小説ブログ 描写がよくわからない

まあ、言葉の意味がわかったぐらいで即実践できるなら誰も苦労しないよなあ。そうか! 客観的に表現すればよかったのか! これでばりばり書けるぜ! 

ないない。無理無理。

そこで思い出したのが、小説における描写をスケッチに喩える話だ。ここで今度は「スケッチとはなんぞや」という言葉の定義に陥りそうになるのをぐっとこらえる。とりあえず単純に「絵を描く」ということにしておく。だれか美術に詳しい方、スケッチ、デッサン、クロッキーの明確な違いを教えて下さい。Wikiは無しの方向で。なんてね。

とにかく、文章によるスケッチが描写なんだ、とここでは軽く捉えておく。話が進まなくなるよね。(あー、でも「絵」と「スケッチ」の違いってなんだろう)

ある作家がデビュー前に行った小説の練習方法を引用する。
 

 僕がこのころから始めたもう一つの練習法は、小型のノートを持ち歩くことだった。電車に乗り、前に座っている乗客をスケッチした。絵に描くのではなく、文章でスケッチするのである。あるいは公園やデパートの屋上のベンチに座ってノートを開くのでもいい。目にとまった人物を、まず風貌を描写し、次に勝手に彼や彼女がどういう人間であるかを書く。年齢、職業、趣味、家族構成や生い立ちなど、思いついたことを勝手に書いて描写してしまう。後に、僕はこのノートに「あの子はだあれ」というタイトルをつけた。
(井上夢人『おかしな二人―岡嶋二人盛衰記 』より)


コンビで活動していたミステリー作家、岡嶋二人の誕生から解散に至るまでを書いた自伝エッセイからの引用だ。これは、江戸川乱歩賞への初挑戦が第一次予選通過という結果で終わってしまったあとの、本格的に小説の練習を始めたころの話だという。応募したのが昭和52年の第23回江戸川乱歩賞だから、もう30年以上前の話だ。「小型のノート」とあるのは、当然紙のノートだよ。でも、今の時代なら小型のノートPCを使って同じことをする人もいるかもしれないね。

ここでつっこまれるかもしれない。

描写とはなんだという話なのに、引用された文のなかに「描写」という言葉が入っている。これでは堂々巡りではないか、と。

たしかにそうだ。私はそう思った。でも、これは質より量の問題なのだ。

文章によってスケッチした人数は、具体的な数字はわからない。しかし、一人や二人ではないはずだ。つまり、ただ一人の人物を前に、描写とはなんなのだ、と考え続けるのではない。何人もの人物を書くことによって、結果的に、描写とはこういうことなのか、という感覚をつかみ取るのだ。おそらく、そうだと思う。

なぜならば、世の中にはまったく同じ人間は存在しない。みんな違うのだから、文章によるスケッチも同じになるわけがない。書き分けなければならないのだ。「きれいな人」とか「怖そうな人」とかそういう主観的な言葉はすぐに尽きてしまう。その人物が他の人々とどう違うのか、その人物をその人物たらしめている要素を見つけ出して書いていかねばならない。

この井上夢人氏の話ができすぎているなと思ったのは、外見だけではなく「彼や彼女がどういう人間であるか」までも書いている点だ。私のような小説家志望では絶対に思いつかないようなことを、さらりとやっているのだ。小説における描写とは、人物の外見を読者に正確に伝えることではない。どんな人間なのかを読者に伝えるのである。(と、小説の書き方の本には書いてあるよね)

今、小説家志望で、こういう人物スケッチをやっている人っているのだろうか。

私はヒキコモリニートなので、無理です。

 

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コメント

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無題

キャラ作りはアバウトなので、しっかりとした描写がほしいと常々思っております。
ヘタな絵でもイメージは考えないといけないな。

>>小生さん

小生さんこんにちは。
その後いかがお過ごしですか。

キャラクター作りと人物の描写は密接な関係にありますよね。
やっぱり、頭のなかにイメージが浮かばないと、描写もなかなかできないものですよね。

いまは

SNSにてシーン展開討論会を実施してますよ。
お題   <ループ>

ある男が浮気をしてしまって、それを解消しようと思っていたら
どうやら浮気する前にタイムスリップしてしまった。

どうにかして浮気した相手に会わないように行動とかしているが
最終的には失敗してしまう。

その一定時間状態から抜けだせずに時間ループしてしまっている。
さぁ、どうしよう。

どうします、錦さんは?

>>小生さん

小生さんこんにちは。

面白い設定ですね。
私なら、藤子・F・不二雄先生の『未来の思い出』のように、途中から主人公が開き直り、未来の記憶を頼りに人生のやり直しをはかりますね。たとえば、同じ時間を繰り返しているなら、競馬なり宝くじなりの結果を丸暗記して一攫千金を目指し、金の力をもって女性関係までをも変えようと考えます。

とはいっても、これでは藤子・F・不二雄先生のパクリになってしまうので、工夫しないとならないですね。

いやいや

変わった考えですね。金とはすごい発想ですよ。
今まででは、
・浮気をしないには相手が居なければいい。
そう思った男は相手の女性を殺害する計画を立てる。
自分は、手をヒモで縛りループからぬけだせるか、ためしてみる。

なかなか人の意見を聞くのもおもしろいものです。これも創作してる人にとってのいいヒントになればと思ってやってます。

何かお題お願いしますです。

>>小生さん

小生さんこんにちは。

お題ですか。
趣旨がよくのみ込めていないかもしれませんが、それならば。

===
お題 <もう一人の自分>

ある日ある男が、行く先々で「またお会いしましたね」と言われる。しかし、男には覚えがない。

会社に行くとタイムカードが既に押されている。
上司に挨拶すると「二回目だぞ」と言われる。
自分の机の上には飲み干された湯飲み茶碗が置いてある。

どうやら自分そっくりの人間がつねに先回りしているらしい。

さあ、どうしよう。
===

こんなかんじでいいのでしょうか。

わおっ

いい感じです。これで色々考えれそうです。
使わせて頂きます。いいお題持ってますね。
また結果を報告させて頂きます。

>>小生さん

ありがとうございます。

ただ、これも藤子・F・不二雄先生の短編漫画に同じようなシチュエーションがいくつかありますよ。

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小瀬朧
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