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ゆっくりと小説を書こう

小説の書き方やお役立ち本などを紹介するBlogです。「小瀬朧」名義で第9回ビーケーワン怪談大賞をいただきました。twitterでtwnovelや短歌などを発表中。

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何かが誰かが降りてくる

投稿日:2009年02月10日(火)

創作に携わる人がよく「降りてきた」とか「降りてこないと書(描)けない」とかいうのを耳にする。この感覚は、私でさえ、軽く体験することがある。

キーボードに向かって、じっと構える。まだ何も書けない。待つ。ひたすら待つ。降りてくるのをただ待ち続ける。すると、いつかそれがふっと降りてきて、みるみるうちに画面が文章で埋め尽くされていく。

あれって、何なんだろうね。

昔、どこかの漫画家は「天使が降りてくるのを待つ」といっていたような気がする。ひらめきの類なんだろうけど、正体はよくわからない。

高校時代、卒業生に贈る言葉を考える委員会(なんだそれ)に選ばれたとき、日曜の朝から夕方まで、八時間近くも自分の部屋の学習机の前でじっと待っていたことがある。当時すでに、その「降りてくる」という感覚をなぜか知っていたので、そうしていたのだと思う。

果たして、それは降りてきた。

原稿用紙半分を、一気に書き上げた。ちなみに自分の割り当ては、冒頭の数行だった。ただ数行を書くために、八時間近くも待っていたのだ。

かくしてできた一世一代の大傑作(数行だけど)は担当教師の感嘆をもって受け入れられた。けれども、なにしろそのわけのわからん委員会は各クラスの代表一名、七クラスあったから全七名からなる組織だ。七人の考えた文章を組み合わせて一つの送辞を作るという名目で集まっているのだ。結果としてできあがった送辞は、おそろしくチグハグで一貫性がなく、絶望的なリズム感をもつ怪作だった。ほんとにそのままつなぎ合わせているんだもん、あれは一種の冗談だったのかもしれないと今では思う。

という奇妙な思い出がつねにつきまとっているわけだが、あの「降りてくる」感覚は忘れられない。もしかしたら、その感覚がやみつきになっているから、未練がましく小説家志望なんてやってるのかもしれないね。

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無題

こんにちは。

なんとなく、解ります。
「降りてくる」気持ち。

私も先日、夢中になって書いていましたら、
一時間半経っていました。
本当にあっという間で、時計を見間違えて
いるのでは無いかと、自分の目を疑ったほ
どです。

ただ、私の場合持続時間に問題があるので、
そんなに長くは書けないのですが。
管理人さんはいかがですか?

>>さくらさん

さくらさんこんにちは。

やっぱりわかって下さる方がいらっしゃった!
あれはけっこう楽しい感覚ですよね。
夢中になれるってのは気持ちいいと思います。

自分の場合、持続時間はだいたい一時間ぐらいでしょうか。文字数なら、2000字前後までは一気にいけるようになりました。その勢いを利用して、一度に4000字程度を仕上げています。

ただ、けっこう待ち時間が長いんですよね。
かといって、なんとなく書き始めても筆がのらないというか、うまく書けませんよね。


無題

そうですよね、小説書きがうまく言っているときは、「勝手に指が動いている。本当に、自分が創っているのか、わからない」という心境に至っています。
 俗に、ライターズハイと言うそうです。

 私の場合、書けなくても、モニター上に文字を並べるのです。その文字を見ている間に、それは降りてきます。

>>uenoさん

「ライターズハイ」って言葉があったのですね。やっぱりこれは物書きが共通して感じる快楽なのですね。

私の場合は、じつはこのBlogの文章を書くことが、それを降ろすための儀式みたいになっています。意味不明で支離滅裂なときは、たいていそうです。そのうちエンジンがかかってくるというか、何かを書きたくてたまらなくなったら、小説のほうへ移るというかんじです。

別にメモ帳に書いていればいいようなくだらないことばかりとも思いますが、こうやって公開することによって、誰かに見られるかもしれないという緊張感が、より集中力を増すために役立っているようです。

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プロフィール

HN:
小瀬朧
性別:
男性
自己紹介:
創作怪談、twitterの短文小説#twnovel、短歌など。
メールでのご連絡は benzine100@gmail.こむ スパム対策なのでこむをcomにかえてください。 


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