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ゆっくりと小説を書こう

小説の書き方やお役立ち本などを紹介するBlogです。「小瀬朧」名義で第9回ビーケーワン怪談大賞をいただきました。twitterでtwnovelや短歌などを発表中。

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投稿日:2024年04月25日(木)

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夢のなかの本

投稿日:2008年09月22日(月)

昨日から一睡もしていない。ぜーんぜん眠れなかった。文字通り布団の上を転げ回っていた。いつもなら酷い悪夢にうなされるはずなのに寝ることすらできなかった。

寝ていないのに、強烈な本のビジョンを見た。

確かに寝ていなかったのだから夢ではない。何度も何度も寝返りをうっていると、突然、それまでガチャガチャと騒いでいた意識の周辺が沈黙した。急激に意識が視覚の一点に集中していく。するとまぶたを閉じているはずなのに、目の前に一冊の本が現れた。本といっても絵本のようで、本全体がデフォルメされた樹のような形をしている。開かれたページは樹木の緑に縁取られ、中央には空と海が描かれている。その下には砂浜があって、そこに文字が書かれていた。

それは日本語だった。読める文字だった。意識を集中するればするほど、その文字は明瞭に見えてきた。一字一句読み取ることができる。漢字の分量が多い文章だった。その瞬間は読むことができたのだけれども、今となっては何が書いてあったのか思い出せない。「かかる思惟は」という部分だけ覚えている。人間の思考について書かれた文章だったはずだ。思い出せなくて残念。

しかし、これは仕方がないだろう。現実の世界においても、たとえばなんでもいいから本を一瞬ぱっと開いて、そのページに書いてある文章を一度読んだだけですべて暗記するなど、できないからだ。こういうとき、記憶力の悪さを悔やむ。

この記事のタイトルを「夢のなかの本」としたのは、現実的に考えれば、この体験そのものがおそらくはすでに夢のなかの出来事だからだ。そういうことにしておきたい。眠れずに覚醒している状態で、あれほど明確なビジョンを見たとしたら、俺けっこうやばいじゃん。

イメージとビジョンの違いはかなり自己流な定義だけど、イメージはふだん頭にぼんやり思い浮かべているときのそれだけど、ビジョンは実際に映像が視覚に浮かび上がる体験だ。

うーん、こういう体験の積み重ねが、凡人を教祖にしてしまうのかもしれんね。怖い。


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ヴィジョンと陥穽

変成意識の中で、読めたものがほとんど憶えていないというのは、印象的ですね。自分も、瞑想の初期に、このようなヴィジョンを視たことがあります。それは退行用に台詞を録音したテープを聴いていて起こりました。自分の前世(らしきもの)が現れたのです。括弧付きにしたのは、意識が戻ったときには、(らしき)となっているからです。それは客観的に、あるいはそれに近い状態に、自分を見ることができるということでしょう。
 換言すれば、教祖にならないということにつながると思います。概して、教祖というのは自分を特別だと言いますが、そこに陥穽があります。しかし、それを意識できれば、そういうヴィジョンとの遭遇は、恐るべきことではありません。むしろ、歓迎してもいいのではないでしょうか。

>>uenoさん

uenoさんこんにちは!
いつもコメントありがとうございます。

唐突ですが、私、上の文章で「ビ」ジョンてずっと書いていますね。まったく眠らずにいたので変なテンションになっていたようです。花村萬月先生にならって「ヴィジョン」と書くようにしていたのに。寝ないと注意力が散漫になるのだとわかりました。

瞑想で出会う安易なヴィジョンによって何か自分が特別な存在であると思ってしまうことはよくある、そしてこれは注意すべきことだ、とその手の本にはよく書いてあったような気がします。さらにうろ覚えですが、そういったごく初期のレベルに満足してしまうと、さらに上のレベルに進むための障害になるという考え方も、何かの本に書いてあった気がします。
しかし、花村萬月先生の作品内でもよく書かれていましたが、ヴィジョンというのは言葉にしてしまうとすぐに陳腐になってしまいますよね。これを実際に見たときには凄まじいリアリティと興奮を感じました。うーん。


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小瀬朧
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