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ゆっくりと小説を書こう

小説の書き方やお役立ち本などを紹介するBlogです。「小瀬朧」名義で第9回ビーケーワン怪談大賞をいただきました。twitterでtwnovelや短歌などを発表中。

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投稿日:2024年05月16日(木)

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作文とチランジア

投稿日:2009年01月22日(木)

小説って、作文の進化形じゃないかなあ。
 

小説も作文も嘘のストーリーを書くってところは同じだろう。そりゃ、作文は事実をもとに書くものだといわれそうなのはわかっているけど、ここはひとつ「事実をもとにした嘘」と好意的に解釈して欲しいな。嘘という言葉が気になるのでしたら、虚構と読み替えてください。って、どこかの阿呆が申しております。自分ですが。


で、巧い小説や作文ってのはその嘘のつき方が巧いってことじゃないのかな。作文なら、たとえば遠足について書くとき、本当は楽しくもなんともなかったとしても、原稿用紙にはちゃんと「とてもたのしかったです」というような言葉を並べるよね。さらに嘘くさくならないように、いかにも楽しんでましたとわかるエピソードを捏造したりする、よね? 違うかな。違うか。うーん。


というようなことを午前中考えていた。


考えてはいたけど、じっさいに小説と作文に関連性があるかないかは別として、作文の書き方をまともに教わった記憶がなかったりするので、時間の無駄だった。もちろん、原稿用紙の使い方っていう意味での書き方は小学校の最初に教わってるよ。文章の最初は一マスあけるとか、誰かが話したことばは「 」にいれるとか、ね。ここで気になっている書き方ってのは、何を書くかっていう内容とどう書くかっていう表現のことなんだ。

 

で、何をどう書けばいいのかなんて学校で教わった記憶がまるでないのだ。

 

まずは一応、本棚を探してみる。が、作文に関する本は見あたらない。買った記憶がないのだから見つからないのは当然だ。けれども、最近は年齢のせいもあって、買った記憶のない本がそこらから発掘されるという事実がよくあるから油断ならない。先月末に大掃除をしていたら、積み重ねられた本の山の最下層から『サボテン&チランジア』なる本が出てきて脱力した。タイトル通り、サボテンとチランジア(知ってる?)の育て方を解説したり、ちょっとした図鑑になっていたりする本だ。サラリーマン時代にサボテンや多肉植物にはまっていた時期があるから、そのときに買い込んだなかの一冊だろう。ちなみに、多肉植物でベンケイソウ科の月兎耳(つきとじ)が凄く気に入っていた。可愛いんだよ、月兎耳。肉厚で細長い葉は全体が柔らかい毛で覆われていて、その名の通り、ウサギの耳みたいなんだ。触るとぷっくりふわふわで、エロチックにも思える。月兎耳をなでていると凄く興奮してくる(妙な性癖だな)。ケーヨーホームセンターの園芸コーナーで見て惚れて買った。300円ぐらい。ミニチュアのように小さい鉢に植えられていて可哀想だから、家のプランターに植え替えてみた。すると、最初は5センチぐらいだったのに、すくすく育って10センチぐらいまで伸びた。冬を越せずに枯れちゃったけどな。『サボテン&チランジア』によると、月兎耳はマダガスカル原産だそうだ。枯れちゃった月兎耳の魂はマダガスカルに還っていったのかな。ボクは枯れちゃったら、どこに行くんだろう。

 

で、作文の話だ。

 

去年の11月か12月ごろ、BOOKOFFで作文に関する本を立ち読みした覚えがある。たしかPHP文庫だったと思う。そのときはパラパラとめくって、へえ、作文の書き方かあ、小説とは関係ないよな、でもまったく役に立たないってこともないだろうなあ、どうしようかなあ、やっぱやめとこ、と買わずに棚へ戻してしまったのだ。105円なんだからケチらずに買っておけばよかったのに、今ごろになって思い出しやがる。未練がましいな、自分。

 

まだ売ってるかなあ。

 

というわけなので、さっそくBOOKOFFへ行こう。一応、ヒキコモリニートという設定にはなっているけど、完全なヒキコモリではないので、たまには外に出る。さて、何を着てお出かけしようか。普段部屋のなかで着ている990円のジャンパーはボロボロすぎて、これで表を歩いたら不審者に間違われそうだ。それに関連するのだが、私の部屋に暖房器具はない。しかも、我が家は徐々に廃屋化してきているため、天井に穴が空いている。そのうえ、軒下にも穴が空いている。外の空気が軒下の穴から天井裏に入り込み、天井から部屋へすーっと流れ込んでくる。とても通風がいい。室温すなわち外気温である。だから、冬場、部屋にいるときはそれなりの防寒対策をしないとならないのだ。あんまり寒くなりすぎると、いよいよ手がかじかんでしまって動かなくなる。キーボードがたたけなくなる。Blogも小説も書けなくなる。仕方なく、コタツのある居間へ逃げ込むというわけだ。

 

それはいいとして、とりあえず今回はお正月に買ったばかりのダウンジャケットを着ていくことにしよう。800円の。

 

ゼロを打ち間違えているわけではない。はっぴゃくえん。近所にある24時間営業のドンキ風のスーパーで800円だったダウンジャケットだ。正真正銘、見事なパチモンです。これを着ていく。貧乏って、ステキ。これでも昔、金が有り余っていたころは一万円もするフリースを平気で買っていたんだぜ。しかも登山用の本格派でブランド品。めちゃくちゃ暖かいやつ。そんな時期が私にもありました。今は貧乏です。ちなみに、今回BOOKOFFで買い物をする資金は、姪の子守のときに妹様から頂いた(返してもらうつもりはないらしいので頂いたということにする)1000円だ。これに50円足せば、105円の本が10冊買える。やべぇ、ワクワクしてきた。

 

BOOKOFFは行動範囲内に2件ある。イニシャルにして地元バレするのは嫌なので、ここはA店とB店としておく。A店は丘の上の住宅街にあって、小規模な店舗ながら自分好みの本が入荷するので気に入っている。入荷といっても古本屋の場合は買い取りで商品を調達するのだから、これは近くに同じ趣味の人が住んでいるということだろう。一方、B店は市街中心部から流通団地へ抜ける大通り沿いにある大型店で、品揃えが充実していて商品の回転も早い。行くたびに新しいアイテムを発見できる。ただ、立地のせいなのか、コミックに比べて文芸関係の古本が絶望的に少ない。

 

さて、A店とB店、どっちに作文の本はあっただろうか。うーん。

 

これが本気で思い出せないのだから、年をとるってのは悲しいね。ちなみに、今この文章は2500字を超えましたが、この先に小説や作文のノウハウについて書く予定はございません。BOOKOFFへ行って帰ってくるだけの文章が延々と続きます。期待された方、すまんね。

 

A店とB店のどちらにあったかは、クルマを運転しながら思い出すことにする。両店への経路は途中までは同じだ。バイパスに出て左右どちらへ進むかの違いである。で、そのバイパスへ出るまでの道のりが長い。果樹園を突っ切る農道をひたすら走るのだ。だから、考える時間はたっぷりある。お目当ての作文の本は、在庫量で考えるならPHP文庫が豊富にあるB店にありそうだ。B店ならまるまる一棚分がPHP文庫だったはず。しかし、自分好みの本であるから、A店で見かけた可能性も高い。文章作法本や小説指南本が見つかるのはいつもA店なのだ。

 

まあ、けっきょくは両方の店に行けばいいだろ、って話になるんだろうけどね。でも、A店とB店はまったく正反対の方角に位置する。我が家から見てA店は北に、B店は南にあるのだ。それに、今日はBOOKOFFをハシゴするつもりはない。作文の本を買うって決まっているからね。できれば一発目で見つけたい。この時点では、A店にあった、と考えている。しかし、だ。私の人生は常に選択ミスの連続だ。自分の判断はだいたいの場合において間違っている。思慮は浅いのに思い込みは激しいという性質の結果だろう。だから、A店にあった、というのは間違いである可能性が非常に高い。よし、ならばB店へ行こう。決定だ。

 

というわけで、B店に向かうことを決めた私はバイパスを左に曲がった。左に曲がるということは、目指す先はA店である。B店? 行かないよ。ほら、自分の判断は間違うからね。B店に行こうと決めたなら、当然、A店へ行くのさ。歪んでいるね、自分。

 

A店に向かって今度はひたすらバイパスを走る。バイパスといっても、田舎の農村を貫く道路だから、周囲の景色は畑、果樹園、水田、果樹園、水田、民家、水田、果樹園、畑、民家と単調にして長閑だ。しばらくそんな風景が続いたあと、一級河川に架けられた長い橋を渡り、別のバイパスに合流する。数百メートルほど走ったら県道へ下りて、今度は一見すると山道にも見える緩やかな坂を上りはじめる。昔は雑木林以外は何もない山道だったけれども、ここ10年ですっかり開発されて今ではベッドタウン化している。すぐに周りの景色は開けて、拡幅されたばかりの真新しいアスファルトの道にかわる。丘の斜面に沿って階段状に住宅が立ち並ぶ様子は、なんだか遠い街にやってきたような錯覚を引き起こす。その住宅地に隣接した地元企業の大型スーパーを中心に、周辺には次々と店舗がオープンした。BOOKOFFのA店もそのなかのひとつだ。

 

BOOKOFFへ行くぐらいで、ちょっとした旅気分を味わえるのだから、田舎っていいよね。それでも、某テレビ局の「田舎へ泊まろう」(だっけ?)がくるほどは田舎じゃないよ。

 

さて、意気揚々とやってきたはいいが、駐車場に停めたままクルマから降りるのを躊躇っている。いつもそうなのだ。怖気づいてしまう。なぜなら私はヒキコモリだ。とにかく社会と接するのが、怖い。それでなくとも、私の見た目は醜い。相撲取りと間違われても仕方がないぐらいの肉厚、透き通るような白い肌に浮かぶ無精ひげ、ヘアースタイルという言葉とはもはや無縁のぼさぼさ髪。こんな風体の男を見て、人は見た目じゃないよ、と言い切れる人がいたら感嘆に値する。最悪なことに、私は心の内面は見た目以上に醜いのでまったく救われない。

 

と、自虐的になるのも最近じゃ儀式化しちゃってるから問題ない。

 

開店からまだ30分しか経っていないBOOKOFFはさすがに客も少ない。しかし、すでに買取カウンターには山のように古本が積まれている。一山20冊と目算しても、カウンターの上だけで300冊近い。さらに、カウンター下の床では女性店員が息を切らしながら無数の紙袋とダンボールにつめられた古本と格闘している。どうやら開店と同時に大口の買取客が来たようだ。店員はみな買取作業に追われているから私のような不審人物が入店してもまったく気づいていない。これはいいことだ。店員を気にせずじっくりと本を探せる。ほら、BOOKOFFって頻繁に店員が商品補充とか並び替えとかやっているでしょ。立読み客に無言のプレッシャーを与えるのが目的なのかなあ、あれって。

 

そんなことはどうでもいい、今は作文の本だ。

 

PHP文庫が並べられている棚に真っ先に向かう。タイトルは覚えていない。ただ「作文」という文字が入っていたのは間違いない。「作文」の文字につられて手に取ったのだし。って、あった。ありました。

 

『苦手な「作文」がミルミルうまくなる本』向山洋一・編、師尾喜代子・著

 

おお、これだ! 表紙には「「作文」を書くにはコツがある! 達人が伝授する 究極の指導法」と書かれている。裏表紙には105円の値札がしっかり貼られている。よかった。というのも、このA店はよく105円コーナーに通常価格(定価から半額ね)の古本が紛れているのだ。105円コーナーにあるのだから値札の付け忘れかなと思い、店員に尋ねると、すいません間違いです、といって私の手から本を奪い、通常価格のコーナーに押し込んでしまった。まあいいけどさ。

 

ともあれ、目的は達成だ。あとは適当になにか漁って帰ろう。

 

というわけで、今回は6冊買って帰った。おしまい。

 

 

 

 

 

 

 

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小瀬朧
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