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ゆっくりと小説を書こう

小説の書き方やお役立ち本などを紹介するBlogです。「小瀬朧」名義で第9回ビーケーワン怪談大賞をいただきました。twitterでtwnovelや短歌などを発表中。

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投稿日:2024年04月25日(木)

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今日は教室を出て詩を作ろう

投稿日:2008年10月04日(土)

そうは言っても「詩」がなんであるのか、小学生の俺にはわからない。

国語の時間なのに教室の外に出るというのは奇妙な雰囲気に充ちている。ノートと筆箱を抱え、廊下を歩きながら、もし他の先生に「授業中だぞ」と怒られたらどう説明すればいいのか少しだけ神経を痛めた。だから、校舎から逃げ出すように校庭に出た。

校庭に出たからといって「詩」が書けるわけがない。だって、「詩」が何なのかわかっていないのだから。だから国語の時間は嫌いだ。何をしたらいいのかさっぱりわからない。

それでも、なんとか考えた。今でも記憶に残っているそのときの「詩」はこれだ。
時計は人の顔 時計の針はひげ
 
しばふは緑のじゅうたん ねっころがりたい

微笑ましいと、思う。可愛いと、思う。さすが小学生の俺。

で、これには嫌な思い出がくっついている。この「詩」のつもりのものを同じクラスのトモヤが見て「ばーかばーか、時計が人の顔なわけないだろ」とか「しばふにねっころがってくればいいじゃん」とか冷やかすのだ。もうすっかり「詩」も国語も嫌いになってしまった。それにしても、なぜ俺は昔から馬鹿にされるために生きているのだろう。まあ、いいけどさ。

さてここからは空想だ。もしこのときに戻れるとしたら、俺はこの詩をこう組み替えてやる。どうせ馬鹿にされるなら、ちょっと皆を驚かせてやろう。

人の顔は時計 見えない針がいつも くるくると回っている


じゅうたんがしばふの上でねころんでいる おうちにだれもいないから


トモヤはもっと笑うだろうが、先生だけが密かに俺のやばさに気づくだろう。






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子供と詩

自分は、読売新聞を取っているのですが、よく読む欄に「子供の詩」があります。私は、これを楽しみにしているのですが、中には、「本当に子供が作ったのかな?」と思わせる詩があります。暗喩や、擬人法を巧みに使った、大人が作ったとしか思えない詩には、うんざりさせられます。
 実際、子供しか作れない詩というものがあるんですよ。
 

>>uenoさん

uenoさんこんにちは!

uenoさんのおっしゃる「子供の詩」と同じなのかわかりませんが、以前、新書で子供の詩についての本を持っていました。ときとして子どもが恐るべき詩を作ったりするのは、たいていは偶然であったりあるいは教師の作為であったりするのですが、なかには子どもであるがゆえに世界の本質(に近いもの)を見抜いてしまうこともあります。ここ最近の思考のテーマになっているのですが、言語が思考そのものであるとするなら、感覚と知覚にまでその支配力が及んでいる可能性があると思うのです。これもまたあとで書きたいことなのですが。
言葉を手に入れることによって表現力は格段に増す。さらに、文法(構文かな)の力により、異質な言葉を「組み合わせ」ることによって意図的に暗喩を創り上げることもできる。しかし、言語の発達によって視覚や聴覚に入ってくる情報までもが、ある種のフィルターを通ることにもなってしまう。たとえば、目に入る光は「ひかり」であって、それは「希望」だったり「聖なるもの」だったりする。周波数の高い音は耳に「突き刺さり」、甘い味は舌を「とかし」たりするようになってしまう。

純粋であることが優位であるとするなら、大人は子どもの感覚と知覚にはかないませんが、あくまでも「創作」という観点からすると、子どもの詩は偶然の産物であり、人間の精神活動としてはあまり評価されるものではないようです。

とは言いつつも、私自身、子どものそれを意識的にシミュレートすることはできないかと常に考えていたりします。

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小瀬朧
性別:
男性
自己紹介:
創作怪談、twitterの短文小説#twnovel、短歌など。
メールでのご連絡は benzine100@gmail.こむ スパム対策なのでこむをcomにかえてください。 


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