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ゆっくりと小説を書こう

小説の書き方やお役立ち本などを紹介するBlogです。「小瀬朧」名義で第9回ビーケーワン怪談大賞をいただきました。twitterでtwnovelや短歌などを発表中。

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投稿日:2024年04月28日(日)

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反抗する夢

投稿日:2008年12月06日(土)

何かに反抗する、抵抗するというパターンの夢が多い。多くは反社会的な行動なので、たとえ夢であってもここでそれを語ると犯罪者予備軍のレッテルを頂戴しかねないのでちゅうちょしてしまう。

当たり障りのない夢だとこうだ。

私は異世界のコミュニティに属している。異世界とはいっても、限りなく現実世界に近いようなのだが、人々が住んでいるのは古代の大型戦争兵器のなかだ。それは船のようでもあるし、飛行機のようでもある。ただ、あまりにも巨大なため、誰もそのなかから外に出ることはできなかった。また、外の世界があるのかも危うげだった。

コミュニティには必ず規律がある。規律を破った者には死が待っている。そのコミュニティでは、規律は命よりも大切だったのだ。毎日誰かが、処刑のためだけのプールに突き落とされ、死んだ。プールには得体の知れない異形が棲んでいた。ようするに、餌とされるのだ。

ある日、私はついに我慢がならなくなった。激昂した。幸いなのか、リーダーはひ弱な奴だった。私はリーダーの首を絞めるとそのまま処刑のプールへ連れて行った。水の底から睨む異形を前に、私はリーダーにこう言った。

「ルールを強要するなら、まずおまえが死ね。おまえが死んで見せろ」

しかし、あまりにも力を込めて首を絞めていたので、リーダーは既に死んでいた。失望した私は死体を異形の目の前に放り込んだ。異形はまずそうにソレを食い散らかした。骨の砕かれる音が、なんとなく心地よいリズムに感じた。

リーダーを殺した私を、仲間が取り囲んだ。男も女も聞き取れないぐらいに何かを喚きながら私を非難している。私は徐々にプールの淵へと押されていった。私を殺すつもりらしい。

私は仲間ではなく、異形に向かって声をかけた。

「おい、おまえはもうそこから出てきてもいいんだぜ」

その瞬間、プールから無数の触手が矢のように伸び、次々に人々を貫いた。




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プロフィール

HN:
小瀬朧
性別:
男性
自己紹介:
創作怪談、twitterの短文小説#twnovel、短歌など。
メールでのご連絡は benzine100@gmail.こむ スパム対策なのでこむをcomにかえてください。 


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