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ゆっくりと小説を書こう

小説の書き方やお役立ち本などを紹介するBlogです。「小瀬朧」名義で第9回ビーケーワン怪談大賞をいただきました。twitterでtwnovelや短歌などを発表中。

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投稿日:2024年05月05日(日)

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今日は道に迷った

投稿日:2008年10月21日(火)

道といっても人生とか学問とかの比喩ではなく、本当の道、道路のことだ。

夕方、買い物に出かけた。新聞の折込広告で特売品を見つけたからだ。そこは普段行くことのない食品スーパーで、クルマで20分はかかる。

行きは、いい。大通りを走り続けていれば迷わずに着く場所だ。

帰りで、迷った。夕方だから、会社帰りのクルマで大通りは非常に混雑する。会社員時代に嫌というほど味わった道だ。そこで、俺は近道をしようと思った。ショートカットだ。裏道に回れば、狭いが、渋滞を避けて大通りの先へ抜けることができる。そのはずだった。

道は会社員時代の記憶とかなり食い違っていた。わずか3年ほどで、裏道はすべて区画整理され、面影がまったくなくなっていた。舗装し直され、車幅も少しだけ広くなったのはありがたいが、めじるしにしていたタバコ屋の看板も、火の見櫓も、営業しているのかどうかわからなかったボロボロの定食屋も、みんななくなってしまっていた。果樹園と水田は小綺麗なアパートにかわり、道路のために土地を削られた古い農家はすべて現代的な家屋に建て替えられていた。

それでも、勘で走っていれば、そうそう変な場所にいくはずもなかろうと思っていると、いつの間にかまったく知らない、新しくできたばかりの道に入り込んでしまった。比較的広い道なので、これは大通りへ接続する道だなと直感して少し安心した。安心した瞬間、行き止まりになった。まだ、作りかけの道だったのだ。正確には行き止まりではなく、古い細い道がその先へ続いている。ここまできて引き返すのも面倒なので、そのまま進むことにした。道はどんどん狭くなり、クルマ一台がやっと通れる幅で、道路脇には農業用水路が掘られているがガードレールはない。さっきまでの真新しいアパートも家も突然なくなり、果樹園と水田が交互に現れる、見慣れた田舎の農業道路に戻ってしまった。別の意味で少しだけ安心したのはいいが、道には完全に迷った。

その後、30分ぐらい迷い続け、やっと見慣れた大通りに出た。渋滞はすでになくなっていた。



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プロフィール

HN:
小瀬朧
性別:
男性
自己紹介:
創作怪談、twitterの短文小説#twnovel、短歌など。
メールでのご連絡は benzine100@gmail.こむ スパム対策なのでこむをcomにかえてください。 


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