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ゆっくりと小説を書こう

小説の書き方やお役立ち本などを紹介するBlogです。「小瀬朧」名義で第9回ビーケーワン怪談大賞をいただきました。twitterでtwnovelや短歌などを発表中。

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投稿日:2024年04月20日(土)

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本が崩れて下着に目覚める

投稿日:2009年02月16日(月)

あまりにも部屋が汚いので、数年ぶり(誇張ではない)に掃除機をかけようかと思い、本のタワーを移動させていたら崩れた。崩壊した。ぐちゃぐちゃになった。プチバベルの塔ですか。超うぜぇ。マジうぜぇ。ぐぬぬぬ。

いやさあ、積み重ねられた本って、下の方にいくほどもう役に立たないんだよね。取り出せないんだから。土台にしかなっていない。だから本棚が欲しいのになあ。お金がない。

ところで、その崩れた本の山からこんなものが出てきたよ。

コスチューム描き方図鑑コスチューム描き方図鑑〈2〉インナー篇 
 

マンガやイラストを描く人向けの本だ。

『コスチューム描き方図鑑』と『コスチューム描き方図鑑2 インナー編』の2冊が出てきた。タイトル通り、いろいろなコスチューム、つまりは服装の描き方を解説した本だ。とくに2冊目はインナー編と銘打ってあるように、まるごと一冊下着の描き方に特化しているのでなんだか凄い。

漫画家になるわけでもないのに、なぜこんな本を買ったのか。それは、小説の語彙増強用に、服装や下着の名称とか特徴がわかる本が欲しかったからだ。ぶっちゃけ、えっちな小説用だけど。

だけど、賢明なあなたがお気づきのように、思っていたほど参考にはなっていないのだ。当然でしょうか。当然ですよね。

それでも、基本的な服装と下着の名称がわかるのはありがたい。名称がわからなくても、ふんだんにイラストが掲載されているので、言葉での描写さえできればけっこう役立つかもしれない。もっとも、それだったら通販カタログやWEBサイトの写真でもOKなんだけどね。

面白いことに、『コスチューム描き方図鑑2 インナー編』には「インナーの歴史」という章がある。古代から現代に至るまでの男女の下着が解説されている。だからなんだといわれたら、さあ、と答えるしかないけどね。

しっかし、まあ買っちゃったものは仕方ないけど、かなり遠回りなことしているよね。たぶん、服装と下着については、専門書があるはずだから(あるよね?)、小説用ならそういうのを探せばよかった。










 

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小説のために役立った本

投稿日:2008年12月31日(水)

小説に対する理想や個人の小説観の構築のためではなく、実際に小説を書くという行為において役に立ったのは、シナリオ関係の本がほとんどだ。もちろん、シナリオの書き方を学ぶのではなく、ドラマ(ストーリー)の作り方を学ぶためにである。

最も基本なのは新井一氏のシナリオの基礎技術だ。とはいっても、たいていの方はすでに読んでいると思う。私が知って買っているぐらいだから、本当に有名な本なのだ。購入したのは2005年だが、当時、小説を書くために役立つ本はないか、と人にたずねたとき必ず名前が挙がったのが本書である。

ところが、上記の『シナリオの基礎技術』はまじめすぎて、本当の初心者にとってはいささか難しい。内容も300ページを超えるボリュームなので通読するのも一苦労かもしれない。そこで見つけ出したのが、彩流社から出ている増補版・「懐かしドラマ」が教えてくれるシナリオの書き方 (オフサイド・ブックス) だ。

本書では「お気楽流」と称して、初心者でも簡単にシナリオが最後まで書ける方法を教えてくれる。書名に「懐かしドラマ」と入っているように、国内の有名ドラマを例に挙げて具体的に解説しているのがポイント。ただし、どちらかというと、本書で目指しているのはごく普通のテレビドラマ的なシナリオなので、「今までにないような」という意味でのオリジナリティあるシナリオを書こうとしている人にとっては少々不満を与えるかもしれない。そういう人は、先にあげた『シナリオの基礎技術』でコツコツ学べばいいと思う。手っ取り早くストーリーを組み上げたいなら、本書『「懐かしドラマ」が教えてくれるシナリオの書き方』が一番いい。ただし、本書の場合は原稿用紙の使い方や基本的なシナリオ作法についてはあまり触れていないので、本当にシナリオを書こうとしている人は別の本も必要。

シナリオ関係の本なら他にも良い本がいろいろあるけれども、私自身がそれにふさわしいレベルに到達していないので、今のところ安易な紹介は控えようと思う。

小説で悩むのは「何を書くか」と「どう書くか」の二つだ。その「何を書くか」、つまりどんなストーリーにするかは、シナリオ関係の本で学べる。「どう書くか」とは、どう表現するか、演出するかという問題になるので、これはプロの小説をよく読んで分析するのがいいと思う。

文章の書き方については、また別の記事にするつもりだ。



 

谷川俊太郎『定義』

投稿日:2008年10月05日(日)

小説家志望のBlogで、谷川俊太郎の詩集がいったいどういう役に立つのかよくわからないところだが個人的に好きだし、とくにこの『定義』は言葉についてある核心にせまるものがあると考えているから紹介している。とかいいつつ、じつは売ってしまったと思っていたのにこの一冊だけ残っていただけだったりする。

この詩集はとくにいい。『定義』内の作品で有名なのは「メートル原器に関する引用」だと思う。この詩は百科事典からの引用だけで成り立っているという奇妙なものだ。最終行「*平凡社刊・世界大百科事典による」の言葉によって、全体が引用であることに気づく。そこに作者の言葉は一切入っていない。実際に平凡社の世界大百科事典で「メートル原器」をひいてみると、たしかに「メートル原器に関する引用」と同じ文面が見つかるのだが、全文が引用されているわけではないことにも気づく。解説文の前半部分と後半部分が「メートル原器に関する引用」では省略されているのだ。つまり、この詩のなかに作者の言葉はないが、どの部分を引用するかという意思はあるということだ。初めてそれを知ったときは身震いした。

有名なそれは置いといて、『定義』のなかでは他に「世の終りのための細部」「風景画は額縁から流出するだろうか」あたりが好きで好きでたまらない。よくそれを真似して詩を作ってみたりもしていた。

この『定義』を、今朝、部屋の片隅から発掘したことに、何か啓示めいたものを感じずにはいられない。その正体はおそらく自分の無意識が、記憶の底からこの『定義』を掘り起こしたのだと思う。また、数年前、一気に本を売り払ったときに、この『定義』を売らずに残していたのも当時の無意識がそうさせたことなのかもしれない。もちろん、そういう「意味」を与えているのは、今の自分であるのだけれども。

「書くということの最初の鍵は考えることではなく、あくまでも書くことだ」

投稿日:2008年09月30日(火)

 これは『小説家を見つけたら』という小説に出てくる台詞です。作者はジェームズ・W・エリソンでソニー・マガジンズ文庫から発売されています。
 映画はショーン・コネリー主演なので、人気はともかく、知名度はあります。ショーン・コネリー扮する老作家と16歳の少年との交流を描いた作品で、全体的に地味な映画ですが、作家志望の向きは必見です。
 
 刮目すべきは、作品内に文章修業の場面があることです。
 
 ニューヨークの下町に住む16歳の高校生、ジャマール・ウォレスは学業もスポーツも優秀という才能に恵まれながらも、貧困により将来の進路について思い悩んでいます。ある日ジャマールは偶然にも幻の大作家、ウィリアム・フォレスターと出会います。文章を書くことに強烈な思い入れがあるジャマールは、フォレスターに文章修業を申し込むのですが……。
 
「書くんだ」
 ジャマールは老人が驚くべきスピードでキーを叩いていくのを見た。「何をしているんですか?」
「これが書くということだ。キーを押しさえすれば、君も同じようにできることだ」
 ジャマールは試し打ちをした紙を取り出して新しい紙二枚をタイプライターのプラテンにセットすると、紙の上部分に自分の名前を打ち込んだ。キーは依然として重く、指に馴染まなかった。
「まだ何も書いてないのか」フォレスターは猶予を与えなかった。
「考えているんです」
「いや、いや、それは後だ。考えるんじゃない。まずは、創造力を熱する。次に冷静に分析する。この順番が肝心だ」
 キーの上に指を飛ぶように走らせるうち、不意にフォレスターはトランス状態に入り、ジャマールはただ呆然とそれを見つめた。
 数秒後、フォレスターは頭を上げて息を吸い、そして言った。「別の言葉で言えば、第一稿はハートで書け――推敲では頭を使え、ということだ。書くということの最初の鍵は考えることではなく、あくまでも書くことだ」
 
 映画では古めかしいタイプライターを軽々と打つ老作家フォレスターと馴れないタイプライターに戸惑うジャマール少年が対照的に映し出されている面白いシーンです。
 老作家フォレスターから「書け」といわれてもジャマール少年は何を書いたらいいかわからない。何を書こうか考える。ところがフォレスターはジャマールに考えるより先に書けというのです。呆然とするジャマールの目の前で、フォレスターは凄まじい勢いでタイプライターを打ってみせます。圧倒されたジャマール少年は、書くという行為に対する、自分の今まで持っていた先入観が間違っていたと気付くわけです。
 
 良い映画なので機会あればどうぞ。
 
 
 
 


『マンガ老荘の思想』

投稿日:2008年09月20日(土)

老子と荘子の思想をわかりやすくマンガ化したものだ。描いているのは台湾出身の漫画家、蔡志忠(さいしちゅう)氏。俺が持っているのは講談社+α文庫版なんだが、奥付を見るともう10年以上前に買った本だとわかる。BOOKOFFに売らずに残してあった本のうちの一冊だ。

ものすごい偏見だけどさ、中国思想っておっさんが好きそうだよね。俺自身、おっさんになってからまたこの本を発掘して読んで、うーんなるほどとうなってみたりしているのだから、人のことはいえない。ただね、娯楽として読むにはいいけれども、自分の人生と照らし合わせちゃったりして、反省したり何かを悟ったふうに思ったりするのは、嫌だ。精神年齢が低いと言われようが、俺は俺自身に屈したくない。自分は最期まで自分の支配者でありたいと思う。とはいいつつも、老荘思想って面白いんだよね。はまってしまう。

 

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