忍者ブログ

ゆっくりと小説を書こう

小説の書き方やお役立ち本などを紹介するBlogです。「小瀬朧」名義で第9回ビーケーワン怪談大賞をいただきました。twitterでtwnovelや短歌などを発表中。

[PR]

投稿日:2024年04月27日(土)

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

何かが誰かが降りてくる

投稿日:2009年02月10日(火)

創作に携わる人がよく「降りてきた」とか「降りてこないと書(描)けない」とかいうのを耳にする。この感覚は、私でさえ、軽く体験することがある。

キーボードに向かって、じっと構える。まだ何も書けない。待つ。ひたすら待つ。降りてくるのをただ待ち続ける。すると、いつかそれがふっと降りてきて、みるみるうちに画面が文章で埋め尽くされていく。

あれって、何なんだろうね。

昔、どこかの漫画家は「天使が降りてくるのを待つ」といっていたような気がする。ひらめきの類なんだろうけど、正体はよくわからない。

高校時代、卒業生に贈る言葉を考える委員会(なんだそれ)に選ばれたとき、日曜の朝から夕方まで、八時間近くも自分の部屋の学習机の前でじっと待っていたことがある。当時すでに、その「降りてくる」という感覚をなぜか知っていたので、そうしていたのだと思う。

果たして、それは降りてきた。

原稿用紙半分を、一気に書き上げた。ちなみに自分の割り当ては、冒頭の数行だった。ただ数行を書くために、八時間近くも待っていたのだ。

かくしてできた一世一代の大傑作(数行だけど)は担当教師の感嘆をもって受け入れられた。けれども、なにしろそのわけのわからん委員会は各クラスの代表一名、七クラスあったから全七名からなる組織だ。七人の考えた文章を組み合わせて一つの送辞を作るという名目で集まっているのだ。結果としてできあがった送辞は、おそろしくチグハグで一貫性がなく、絶望的なリズム感をもつ怪作だった。ほんとにそのままつなぎ合わせているんだもん、あれは一種の冗談だったのかもしれないと今では思う。

という奇妙な思い出がつねにつきまとっているわけだが、あの「降りてくる」感覚は忘れられない。もしかしたら、その感覚がやみつきになっているから、未練がましく小説家志望なんてやってるのかもしれないね。

PR

小説のリズム?

投稿日:2009年02月09日(月)

語彙と表現を増やそうかと思い、ぜんぜん好きでもない作家の小説からフレーズをノートに書き写していた。それがここ一週間の話。

なぜ好きでもない作家の小説を選んだかというと、語彙と表現を偏らせないためだ。そう考えた。好きな作家の作品なら、何度も読んでいるし、気に入ったフレーズはどんどん真似して使っているから、あえてやる必要はない。でも、そのままだと言葉選びや言い回しが好きな作家にあからまさに似てしまう。だから、ぜんぜんまったくこれっぽっちも好きでない作家の小説を選んだ。(そうはいっても、家にあるぐらいだから、嫌いというわけではないだろうね)

ノートにフレーズを書き写すといっても、自分の場合はまだ基本的な言葉ばかり。「振り向く」とか「~から…のなかを覗く」とか「ひっくり返る」とか「声を荒らげる」とか「腰に手をあてる」とか、そういうレベルの話だ。

冗談ではないよ。

これは単に言葉の言いかえの問題ではなく、人間の動作や風景の在り方を言語化するために必要な準備なのだ。頭のなかにはイメージが浮かんでいる、でも、それを言葉で言い表せない、というもどかしさを克服したいということでもある。

さっきあげた言葉だって、読めばおそろしく簡単だけど、自分が小説を書くときにその言葉がスムーズに出てくるとは限らないのだ。

というようなことを、わりと夢中でやっていた。

ところがだ。

そんなことをしていたからなのか、自分の文章のリズムがおかしくなってしまったのだ。客観的に判断できるかわからないが、書いている本人としては、なんだかすごく気持ち悪い。

で、文章のリズムが変わると、小説全体のリズムまでなんだかおかしくなる。リズムってなんだよ、と言われても、自分にだってよくわからないけど、とにかく気持ち悪い。

それで思った。

小説は文章から成り立っている。構成している個々の文章によって、小説の展開まで変化してしまう。そんな気がしてならない。極端な例を考えてみるなら、ドロドロと暗い文章で書いていれば、小説のストーリーだってドロドロと暗いものになっていくように思える。暗いストーリーだから暗い文章になるのではなく、暗い文章だから暗いストーリーになっていくこともあるのではないか、という仮定なのだ。もちろん、今あげた「暗い」というのは極端な例だ。現実に即して考えれば、文章から感じられるインテリ臭や負け犬根性や僻みや妬みなんかが、そのまま小説全体の流れまで支配してしまうということだ。プロの作家なら内容に合わせて文章を変えているのかもしれないけれども、素人にすぎない自分にとっては、たぶん、文章によって小説の内容が変わってしまう。

というわけなので、しばらくの間は、このことを考えてみる。








 

また作文の話

投稿日:2009年01月23日(金)

今回は覚え書き程度に、短く書き残す。

作文の書き方のなかに、小説の書き方のヒントもあるのではないかと思って本を読んだりネットを検索したりしていた。

結論からいうと、作文の書き方を勉強するのもかなり役立つ。

ただし、ただしだ。

あくまでも、小学校時代にまともな作文教育を受けていない小説家志望の人には有効ではないかということ。自分がそうなんだけど。

とくに、作文の書き方といえば「思った通りに書きましょう」とか「自分の気持ちを素直に書きましょう」というような記憶しかない人は、今すぐ作文の書き方を勉強したほうがいい。

どうやら、ある年代の人々は、ものすごくテキトーというかイイカゲンな教えられ方をしているのだ。ちょっと気づくのが遅すぎた。


ここ最近(といってもかなり幅がありそうだけど)の作文教育は、とにかく描写、描写、描写、描写が大事だと教えているらしい。描写、描写、小説家志望が最も気にしているのも描写でしょう。同じジャン。


ということは、自分が小学生時代に受けたテキトーでイイカゲンな作文教育による先入観があるから、いざ小説を書こうとしても躊躇してしまうということだ。何を書いたらいいかわかんないんだもん。というのも、自分の先入観としては、作文とは自分の気持ちや感想を書くことだと思っているからだ。物事を自分で「解釈」する作業ともいえる。そうなると、小説も、あるテーマや出来事を自分で「解釈」して書くものだと考えちゃうわけだから、そんなもん書けるわけないよな。

で、この「作文は解釈」という思い込みが大間違いだったのだ。

本やネットで調べた断片の情報を統合してみると、最近の作文教育では、自分の気持ちや感想よりも、とにかく描写をしなさい、ということなのだ。「楽しかったです」とか「悲しかったです」などと直接書くのではなく、そう感じた場面を丁寧に描写するのが、今風の作文の書き方の基本らしい。

これ、本気で頭をガツンとやられた気分でございます。マジで。

そりゃそうだよなあ。自分の気持ちだけで、原稿用紙一枚とか二枚を埋めるなんて、無茶だもんなあ。作文の宿題がでるたびに泣きながら書いた記憶があるよ。むうう。


うーん、自分の小学生時代に「作文は描写」という教育をちゃんと受けていれば、人生変わったかもしれんね。


とんでもない回り道をして、やっと「小説は描写」という言葉が頭にすっと入ってきた。やっとわかったよ、なんでみんな描写、描写、描写と描写にこだわるのかが。




ところで、みなさんはどんな作文教育を受けてきたんでしょ。

いまやってること

投稿日:2008年06月17日(火)

小説を書くための読書は進行中。それとは別に、お手本になる小説を分析している。分析っていうとかっこつけているようで気恥ずかしいけど、たんに大好きな小説の気に入った部分やすごいと思った部分をノートに書き写して、それを真似て文章を書いているだけ。まねっこまねっこ。だから見せられない。あからさまに盗作だから。

これがけっこう、というかめちゃくちゃ愉しい。文章の骨格はそのままで、単語だけ入れ替えて遊んでいるだけなんだけど、普段自分では絶対に書かない(いや、書けない)文章ができる。イメージとしては、高校時代にさんざんやった英語の構文を覚えているようなかんじかな。覚えた構文で例文をいくつも作るって、やったよね。それの日本語版だ。小説の練習としては恐ろしく間違った方法のような気もするけど、もういいや。

ようするに、理屈を頭に詰め込んでも無駄だってのにようやく気づいたってこと。あと、「とにかく書けばいい」というアドバイスの重大な欠点もわかった気がする。気がするだけで、まだ言語化できない。ばくぜんばくぜん。あいまいもこもこ。

小説を書くまでの手順? 都筑道夫氏の場合

投稿日:2008年04月01日(火)

 少々古い本ですが、都筑道夫『都筑道夫のミステリイ指南』に興味深い記述があります。
 初心者がゼロから小説を書くための手順が書かれているのです。
 
 その手順とは以下の通り。
 
・いろいろなジャンルの小説をたくさん読む
・気に入った作品を原稿用紙に筆写する
・筆写した作品を声に出して読む
・自分で短編小説を書いてみる
 
 まずは、とにかくたくさんの本を読め、という多読のすすめです。ここで大切なのは、さまざまなジャンルの作品に触れることです。その理由は「自分がどういう小説を書きたいか、それを発見するのが第一歩」(同書より)。書きたいジャンルが見つかったら次のステップに移ります。
 
 次は、筆写です。自分の書きたいと思ったジャンルからお気に入りの作品をいくつか選び、それらを原稿用紙に書き写します。正確に書き写すことによって、原稿用紙の使い方を覚えられます。また、筆写することにより、その作品を熟読したことにもなります。
 
 書き写したら、今度は音読です。作品を声に出して読みます。よい文章にはリズムがあり、声に出して読み、それを耳で聞くことで、より深くその作品を理解できるのです。
 
 最後に、いよいよ自分の作品を書きます。まずは短編から挑戦です。書き方については、説明しても会得できないのだからとにかく書けということです。ちょっと肩すかしをくらった気分ですが、書かないことには始まらないのでしょうね。
 

twitter

facebook

レコメンド

人気記事

ブログランキング

にほんブログ村 小説ブログ 小説家志望へ

★ブログランキングに参加しています。

カレンダー

03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

プロフィール

HN:
小瀬朧
性別:
男性
自己紹介:
創作怪談、twitterの短文小説#twnovel、短歌など。
メールでのご連絡は benzine100@gmail.こむ スパム対策なのでこむをcomにかえてください。 


バーコード

ブログ内検索

あわせて

あわせて読みたいブログパーツ

アクセス解析

忍者アナライズ

お知らせ