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ゆっくりと小説を書こう

小説の書き方やお役立ち本などを紹介するBlogです。「小瀬朧」名義で第9回ビーケーワン怪談大賞をいただきました。twitterでtwnovelや短歌などを発表中。

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投稿日:2024年11月22日(金)

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あなたたちは一生「商」が書けません

投稿日:2008年09月13日(土)

小学校の思い出だけどね。

今の学校事情は知らないけれども、昔は生徒をよく廊下に立たせていた。昔ってのがどれぐらい前なのかは秘密な。俺らは立たされる側の人間だったから、どんな理由で廊下に放り出されたのかはよくわかっていない。子どもの悪さに自覚はないのだ。とにかく先生にとっては怒るべきことをしていたのだろう。その日も何かで怒られて数人が教室から追放されたわけだ。

国語の授業だった。しばらく廊下に立たされていた俺たち数人が許されて教室に入ると、黒板には大きく「商」と書かれている。新しい漢字だ。先生は言った。

「教室にいた人たちはこの商の字を習いました。でも廊下にいたあなたたちは一生書けません。困りましたね」

これは、困った。俺はもう一生「商」が書けないのだ。学問は厳しい。

その後俺は独学で「商」の字を学んだ。


 

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無題

ちなみに、自分もその昔々に属する世代です。
しかし、この文章から、変なイメージが浮かんできました。それは、この先生の台詞からです。
夏目漱石の『坊ちゃん』で書かれたような学校風景です。あれはたしか高校だったと思いますが、このイメージでは、尋常小学校です。袴姿の先生と丸坊主の生徒という連想は、先生の台詞の古風さから来るものだと思います。先生ははたして女性なのか、女性的な人だったのかどちらでしょう。台詞に何処か、そんな性格を感じます。少なくとも、私は苦手でしたね、そのような先生は。

>>uenoさん

こんにちは!

本当に遠い記憶になりつつあるのですが、この思い出は古い木造校舎が背景にあります。学校のイメージとしては、そうですね、まさに『坊ちゃん』かもしれません。
大変厳しい女性教師で、戦争体験談をよく聞かせてくれたことを覚えています。また、廊下に立たせるというのは非常に軽い罰で、通常はビンタでした。すぐにビンタです。クラス全員がビンタをもらうために行列を作ったのも、一度や二度ではありませんでした。今じゃ考えられないことのようですね。

このようなことを書くと、まるで私がかなりの年齢のようです。自分でも不思議です。
実は、この学校はこの話の年で閉校しました。あまりにも古く、生徒数も膨れあがったために、新しく学校が新設されたのです。
次の年からは、当時の最新設備を集めた新学校に通っていました。教育方針も当時の先進だったようです。
だから、私はまさに小説に出てくるような尋常小学校に近い古い教育(もちろん、本当の尋常小学校は知りませんよ)と現代の教育の両方を体験したことになります。

ちなみに、この木造校舎の夢を今でもたまに見ます。

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小瀬朧
性別:
男性
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創作怪談、twitterの短文小説#twnovel、短歌など。
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