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ゆっくりと小説を書こう

小説の書き方やお役立ち本などを紹介するBlogです。「小瀬朧」名義で第9回ビーケーワン怪談大賞をいただきました。twitterでtwnovelや短歌などを発表中。

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投稿日:2024年11月22日(金)

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階段

投稿日:2008年09月17日(水)

夢の要素の一つに「階段」がある。これは特別珍しいなことではないと思う。自分の場合はどこまでも階段を「飛び降りる」夢をよく見る。階段を、飛び降りるのだ。

学校なのか病院なのか会社なのかわからない。暖かみのない無機質な空間で、白や薄い水色の壁とぼんやりとした蛍光灯、静かに反響する靴の音、あるいは病院の匂いを感じることもある。

俺はその階段を小走りにどこまでも下っている。その先に何があるのかはわからない。下っているうちにだんだんと飽きてくるというか小さな挑戦心のようなものが芽生えるというのか、階段のステップを一段、二段、三段と飛ばしてみるようになる。手すりにつかまっている手をガイドにして滑るようにジャンプする。四段、五段、六段、いくらでも飛ばせるように思える。そのうち、一気に踊り場まで飛び降りられることに気づく。おそらく、手すりにつかまっている限りはどこまでも飛び降りることができるだろう。そう考えた。(念のために書くけれどもこれは夢のなかの話なので真似しないでください)

踊り場まで一気にジャンプできるようになってもまだ物足りない。だから今度は踊り場が迫ってきても着地せずに、手すりにつかまる手を支点に身体を180度回転させる。そうすれば次の階段が目の前にある。その下には次の踊り場が見える。その踊り場についたらまた空中で向きを変えればどこまでも飛び降りることができるのだ。足を床につける必要はもうない。

いったいどこまで続く階段なのかわからないけど。

こういう夢はともかく、スピリチュアル系で階段のメタファーは必須だ。天国地獄のイメージもそうだし、人間の上下関係なんていう言葉にも表れているように、人間とはどうやら上下方向に特別な意味を感じ取っているようだ。上にいくほどあかるくきれいで下にいくほどくらくて汚い。立派な人はイメージ的に上方向にあり、ダメな人間ほど下方向にある。そのメタファーを現実のものにしたいがためなのか、たとえば会社において社長室はほぼ間違いなく最上階近くにあるし、ホテルにしても高級ルームほど上の階にある。さすがにダメ社員や貧乏人を地下室に押し込めることは(たぶん)ないけれども。そして、階段はその上下をつなぐ接点であり通過地点であり、またある種の人々にとってはより上のステージを目指す希望の象徴だったりもするのだ(大人の階段のぼるなんて歌もあったよね)。

魂の階梯や悟りの階梯なんて言葉があるけれども、どうしても宗教観がつきまとってしまうので、語るためには慎重にならざるをえない。深い意味や正しい定義は置いておくとして、まあとにかく「上」へ昇って行けよ、ということなんだろうけどね。

逆もある。どこで得たイメージでどんな理論なのか今となっては判然としないのだが、人間の心の奥深い部分、いわゆる深層心理とか無意識とか呼ばれる領域へのアクセスは「階段を下りて」行くのだ。すでに「心の奥深い部分」という言葉を思わず使ってしまっている時点で、洞窟や地下といったメタファーにとらわれている。

昔聞いた癒し系の催眠CDでは、目の前に階段があるとイメージしてそれを下りて行きなさい、そうしてその先にあるドアを開けなさい、ドアの先にいるのが本当のあなたです、という意味合いのフレーズがあった。結局、何にも会えなかったけど。

クトゥルフが好きな人なら、これって夢の国でしょ、というかもしれない。あれもたしか何百段だかの階段を下りて行くからね。

これらのことから、俺がよく見る階段の夢が珍しいものではないといえるのだ。もちろん、上に書いた知識を得る前、保育園の頃から階段の夢は見ているので、やはりほとんどの人間に共通するイメージなんだと思う。たぶん、誰もが階段の夢を見ているのではないだろうか。

ちなみに、俺の夢の場合、ごくまれに階段の終わりに到達するのだけれども、そこには恐ろしいものがある。ある、というか、いる。あるいはこの世のものではない世界だったりもする。当然、逃げようとするのだが、結末はいうまでもない。









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無題

『階段』のテクニックは、瞑想でよく使っています。『前世療法』という本から取りました。前世はあるのかないのかわかりませんが、瞑想するときは、あるという前提の元でやります。しかし、いったんはじめてしまうと、理性とは正反対の境地に達してしまうのがおもしろいです。「洞窟や地下」。もしかしたら、そういうメタファーに囚われすぎているのかもしれませんけど。

>>uenoさん

uenoさんこんにちは!
この前の記事のコメントの返信を書いてあったのに公開するのを忘れていました。すみません。

前世を体験するという催眠CDに昔はまったことがあります。でも、そういうのは見よう見ようと意識してしまうから、余計に何も見えなくなってしまうんですよね。なかなか期待する映像を得られませんでした。
しかし、夢のなかでしばしば奇妙なリアリティを感じることはあります。知らない場所、知らないはずの人、でもなんだかよく知っているというあの感覚です。もしかしたら……とはよく思います。

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小瀬朧
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創作怪談、twitterの短文小説#twnovel、短歌など。
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