投稿日:2024年11月22日(金)
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投稿日:2009年03月21日(土)
吉村昭の作品に残照という言葉を使った表現が出てくる。残照の意味は広辞苑によるとこうだ。ざんしょう【残照】
日没後、なお、空に照りはえて残っている夕日の光。
その義父の生涯にとって、関東大震災の起きた後の一月ほどは、おそらく残照にも似た華やかな意義をもった日々であったのだろう。
私は、時折、うつろな眼をして考えこんでいる自分を発見するようになった。五十歳を超した私の前には、一年一年、年齢を重ねてゆくにつれ金銭だけを露骨にもとめる女だけしか現われてこないことが予想され、その上、私は女たちに無惨にも裏切られつづけてゆくだろう。すでに人間としての黄昏は近い。もし残照の余映が自分の周囲にまだ残されているならば、私はそれを確実に握りしめなければいけないのだ。
たそがれ【黄昏】
(1)「たそがれどき」の略。
(2)比喩的に、物事の終わりに近づき、衰えの見える頃。「人生の-」
寂しい気分になってくる。よえい【余映】
あとに残っている輝き。余光。
黄昏
夕暮れ。夕方の薄暗いとき。古くは「誰そ彼」と書き、人のさまの見分けにくいときの意をいった。これから夕暮れ時をさすことばに転じた。一説には、農夫が田から退いて宿に帰る意で、田退(たそかれ)の意とするものもある。
黄昏
夕暮れて暗くなると、人の顔が見分けにくい。そこで「誰そ彼は」が「たそがれ」になった。朝方の暗い部分は「彼(か)は誰(たれ)時(どき)」を略して「かわたれ」といい、両者を使い分けた。
かわたれ
「かわたれどき」の略。
かわたれどき【かわたれ時】
(薄暗くて、彼は誰か、はっきりわからない時の意)明け方または夕方の薄暗い時刻。後には夕方の「たそがれどき」に対し、明け方をいった。かれはたそどき。
港口正面の堀割の岸にある彼女の家は、荷揚場の往来から、それに平行した町中の本町通りまで続いているぐらい広大で、従って上部に釘の並んだ黒板塀に添うてぐるりを一巡してみても、いったいどの辺に彼女の居間があるのか、見当などは付けられないのだった。「かわたれ時」という言葉を少年雑誌のページで知ったのは、この頃の話である。黄色い薄暮の高い窓辺から往来を眺めている少女の物語の中に、私は「かわたれ時」という言葉を発見した。夕暮には行き交う人々の顔がぼやけて、「彼は誰であるのか?」と疑われるところからそう云われるのだ、と家の書生が教えてくれたが、当初、かわたれという奇異な語音の中には、河童の連想があった。それにこの刻限は、すでに知っていた「逢魔ヶ時」と一致するのであったから、私は、夕方に歩いていると覚えもつかぬ区域に自分が紛れ込んでしまい、どこが入り口なのか判らぬような大きな屋敷の高い窓辺に、赤沢さんめく幽閉少女の白い顔を認めるような気がしたものである。
(稲垣足穂「彼等」より)
はくぼ【薄暮】
薄明かりの残る夕暮れ。くれがた。たそがれ。ひぐれ。「-ゲーム」
おうまがとき【逢魔が時】
(オオマガトキ(大禍時)の転。禍いの起る時刻の意)夕方の薄暗い時。たそがれ。おまんがとき。おうまどき。
残照、黄昏、夕日。そんな言葉を聞くだけで、奇麗な映像がありありと浮かんできます。自分は、瞑想をするときによく使う映像です。
きっと、何時の時代も、そんな空を見ていたに違いありません、
もしかして、生まれるまえでさえも・・・・。
uenoさんこんにちは。
過去に二回、怖ろしいほどに美しい夕暮れを見ました。いや、美しい、というのは違うかもしれない。本当に心のそこから、恐ろしさが沸き上がる、そんな空でした。
ただ、その夕暮れ空が、そう見えたのは、自分の精神状態によるのかもしれません。次に見るときは、本当の黄昏かもしれません。
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