投稿日:2025年02月02日(日)
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投稿日:2008年04月23日(水)
先に書いておくけど、俺は花村萬月氏のファンではない。傾倒なんてもってのほかだ。前も書いたけど、本当に偶然、まったく意味もなく、俺の心の奥深くにこびりついているだけだ。カビのようなものだ。カビは放っておくと増殖する。投稿日:2008年04月20日(日)
俺の書くという行為そのものに影響を与えた作家が花村萬月氏だ。内容にではない。書くという行為そのものにだ。影響というと聞こえがいいが、じっさいは呪縛だと思う。それもかなり無意識の領域に食いこんでいる催眠術的な呪縛だ。尊敬とか傾倒とかそういう作家に対する恋愛感情のような気色悪いものではない。だから、花村萬月氏の小説作品を読むのはこの『ゲルマニウムの夜』が初めてなのだ。
いまとなっては理由はまったく不明なのだが、花村萬月氏が俺の学校で講演をした。芥川賞を受賞する前である。誰も花村萬月氏の名前を知らなかった。担任教師も知らない。当然、俺も知るわけがない。講演内容は日本全国をバイクで駆け巡り、雪の中でオナニーをしたというような印象しか残っていない。ひたすら下品な話が続いたと思う。もし当時に戻れるなら、あの講演会を司会がどういうように終わらせたのかその手腕を観察したい。それはともかく、間違いなくこのときに俺は感染していたのだ。そして長い潜伏期間に入る。
テレビや新聞、雑誌、書店が『ゲルマニウムの夜』と「花村萬月」の単語を連発するようになったとき、あの講演会に関係した人間すべてが驚いたのはいうまでもない。愕然だ。本当なら忘れたことさえ忘れるようなごく平凡な学校生活の出来事、無名の作家による講演会の記憶が、古傷のように消えなくなってしまったのだ。日常生活に支障はきたさないが、それを見るたびに当時を思い出すという、まさに古傷だ。古傷はいつか美談にされるから、怖い。そして、俺は発病する。人生の選択肢というか逃げ道に小説を書くという行為が加わってしまったのだ。
もし、あの講演会が花村萬月氏ではなく、たとえば陶芸家だったり版画家だったりあるいは若き起業家だったりしたならと、ときどき思う。
投稿日:2008年04月10日(木)
読み終えた。これはいい。
『怪談の学校』で必読とされていた都筑道夫氏の『ミステリイ指南』を読み、氏の怪奇小説論に感化され、初めて購入した短編集が『25階の窓』だ。タイトルのチョイスはたまたまブックオフにこれしかなかったからにすぎない。もっと他の作品も読みたいのでまた探しに行く。
『25階の窓』とは25の短編が収められているという意味だった。タイトルの下には「都筑道夫モダンホラー・コレクション」と書かれている。モダンホラーという言葉は今の感覚だとなんだか古臭く、気恥ずかしさもある。作品の内容は時代背景のせいでどこか懐かしい空気を感じるけどなかなか面白い。さすがに、ホラー・怪奇小説を読んで夜も眠れなくなるという年齢ではないし、小説を書くための読書として物語の構成やら表現方法やらに目を光らせているから、恐怖を味わうという本来の意味での楽しみ方はできていないかもしれない。それでも、読後に妙な不安感が残ったり、なんだか釈然としない気持ちがあとをひいたりしているのだから、都筑道夫氏の筆力には素直に驚ける。同時に、今まで読まなかったのを非常に悔やむ。
物語の中ですべてが完結するのではなく、読み終えた後、読者が現実世界に帰ってきてからも何かが心にひっかかっていたり、漠然とした不安がどこか付きまとっていたりする、そういう感覚が残るものが怪奇小説、怪談としては優秀ではないかと俺は勝手に考えている(『怪談の学校』か『ミステリイ指南』の受け売りかもしれんけど)。しかし、読者によっては「え、けっきょく何なの」「オチはないの」「説明不足じゃないの」という感想を抱くかもしれない。かくいう俺も何がおこったのかよくわからず、「阿蘭陀すてれん」と「かくれんぼ」を数回読み直してしまった。実に不思議な作品だった。こういう小説を自分でも書いてみたいものだ。
投稿日:2008年04月02日(水)
こんなところで虚栄を張っても、何も得られないので正直に書くと、実は今日、しかもたった今読み終えた。数年前に購入したまま本棚に眠っていた。もっと早く読んでおくべきだった。猛省。竹の子書房
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