投稿日:2024年11月22日(金)
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投稿日:2008年04月10日(木)
読み終えた。これはいい。
『怪談の学校』で必読とされていた都筑道夫氏の『ミステリイ指南』を読み、氏の怪奇小説論に感化され、初めて購入した短編集が『25階の窓』だ。タイトルのチョイスはたまたまブックオフにこれしかなかったからにすぎない。もっと他の作品も読みたいのでまた探しに行く。
『25階の窓』とは25の短編が収められているという意味だった。タイトルの下には「都筑道夫モダンホラー・コレクション」と書かれている。モダンホラーという言葉は今の感覚だとなんだか古臭く、気恥ずかしさもある。作品の内容は時代背景のせいでどこか懐かしい空気を感じるけどなかなか面白い。さすがに、ホラー・怪奇小説を読んで夜も眠れなくなるという年齢ではないし、小説を書くための読書として物語の構成やら表現方法やらに目を光らせているから、恐怖を味わうという本来の意味での楽しみ方はできていないかもしれない。それでも、読後に妙な不安感が残ったり、なんだか釈然としない気持ちがあとをひいたりしているのだから、都筑道夫氏の筆力には素直に驚ける。同時に、今まで読まなかったのを非常に悔やむ。
物語の中ですべてが完結するのではなく、読み終えた後、読者が現実世界に帰ってきてからも何かが心にひっかかっていたり、漠然とした不安がどこか付きまとっていたりする、そういう感覚が残るものが怪奇小説、怪談としては優秀ではないかと俺は勝手に考えている(『怪談の学校』か『ミステリイ指南』の受け売りかもしれんけど)。しかし、読者によっては「え、けっきょく何なの」「オチはないの」「説明不足じゃないの」という感想を抱くかもしれない。かくいう俺も何がおこったのかよくわからず、「阿蘭陀すてれん」と「かくれんぼ」を数回読み直してしまった。実に不思議な作品だった。こういう小説を自分でも書いてみたいものだ。
都筑氏の本はなかなか手に入らないんだよね。
俺も指南本とか読んでみたけど古本屋では売っていないのよ。25階の窓もまだ未読。本当に悔やまれます。
落ちがないとか良く分からん文章はよくありますが、彼の場合は分かってて書いているから凄い。わざとここは書かないほうが良いだろうとか考えてるに違いない。
俺の想像だけど都筑氏の推理物を読むと論理展開のすばらしさに思わず脱帽します。
条理と不条理の使い分けと言うか、使い分けられるくらい言葉を使いこなしてますよね。見習いたいもんです。
こんにちは!
都筑氏の本はほんと売ってないんですよね。
かなりの数の作品が出ているはずなんですけどね。
『ミステリイ指南』もインターネットの古書店でプレ値で購入しましたし。
『ミステリイ指南』を先に読んでいたからわかったのですが、都筑氏は一見オチのないような話でもちゃんと計算して作っているみたいですね。
自分もこんな作品が書いてみたいと思いました。
竹の子書房
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