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ゆっくりと小説を書こう

小説の書き方やお役立ち本などを紹介するBlogです。「小瀬朧」名義で第9回ビーケーワン怪談大賞をいただきました。twitterでtwnovelや短歌などを発表中。

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投稿日:2024年11月21日(木)

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なりたいものになれましたね

投稿日:2008年10月08日(水)

――なりたいものになれましたね

劣化を忘れたデジタルデータのなかから
今とは違う 別の時間のわたしが 囁いた

――なりたいものになれましたね

――ええ あなたがのぞみましたからね いま ちょうど死ぬところです

――ああ だれだっていつかは死ぬでしょう なりたいものになれてよかったですね

ぼんやりとした部屋に ぼんやりとした空気
ぼんやりとしたわたしの しかし まだ動いている心臓

――ああ あなたはむかしをふりかえっているのですね

――ええ もう死ぬところですから はい

けれども きっと朝は来る
いつものように

 

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私は、マンガや小説の会話の部分を読むとき、実際に、声が聞こえてくることがあります。
『別の時間の私』は完璧なコンピューターの声で喋っていました。
 甲高い、きんきんとしたあれです。
 しかし、何故か、劣化することのないデジタルの音声は、しだいに色を失っていくのです。
『別の時間の私』は、壊れたシンセのような声しか、出せなくなり、最後には、声でなく、単なる音になってしまいました。
 それとは対照的に、朝の光が有機的で、暖かみが実際に感じられるのが印象的でした。

>>uenoさん

uenoさんこんにちは!
コメントありがとうございます。

声は、不思議ですよね。漫画や小説がドラマや映画になったりしますと「声のイメージが違う」という感想をよく耳にします。私達は、意識していないのに、虚構のなかのキャラクターに「声」のイメージも持っているということでしょうか。聴覚は他者を認識するために、けっこう重要な役割をしているのかもしれませんね。

この詩は2001年に書いたものを今の気分に合わせてリライトしたものです。
この当時の私は普通の会社員でした。でも、今は違います。私は、私がなりたいものになれたのでしょうか。そんな気分でした。

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プロフィール

HN:
小瀬朧
性別:
男性
自己紹介:
創作怪談、twitterの短文小説#twnovel、短歌など。
メールでのご連絡は benzine100@gmail.こむ スパム対策なのでこむをcomにかえてください。 


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