投稿日:2024年11月22日(金)
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投稿日:2008年09月30日(火)
「書くんだ」ジャマールは老人が驚くべきスピードでキーを叩いていくのを見た。「何をしているんですか?」「これが書くということだ。キーを押しさえすれば、君も同じようにできることだ」ジャマールは試し打ちをした紙を取り出して新しい紙二枚をタイプライターのプラテンにセットすると、紙の上部分に自分の名前を打ち込んだ。キーは依然として重く、指に馴染まなかった。「まだ何も書いてないのか」フォレスターは猶予を与えなかった。「考えているんです」「いや、いや、それは後だ。考えるんじゃない。まずは、創造力を熱する。次に冷静に分析する。この順番が肝心だ」キーの上に指を飛ぶように走らせるうち、不意にフォレスターはトランス状態に入り、ジャマールはただ呆然とそれを見つめた。数秒後、フォレスターは頭を上げて息を吸い、そして言った。「別の言葉で言えば、第一稿はハートで書け――推敲では頭を使え、ということだ。書くということの最初の鍵は考えることではなく、あくまでも書くことだ」
この老作家の言うことは、まさに今のわたしの姿勢ですね、ただし、それをまとめうる論理性に欠けるわけです。わたしのHPに転がっている小説群は、まさにそれです。イメージの混在。書けるだけ書いたという感じです。いわば、読者の方に教師になって、育てて頂こうと、本当に虫がいい態度なわけです。
「物語は文章から生まれる」とは大熊昭信著「感動の幾何学」という本で出会った言葉です。彼は、その本の中で、文章は感動を呼ぶと言っています。わたしは、それを読者の想像力が感動を引き寄せると解釈しています。たとえば、「老人が滝を見て、妻を思い出した」という文章があるとします。ある読者は、老人から、自分の祖父を思い出します。そして、かつて彼が語った話を思い出したとします。「滝の見える土地で、妻を見失った」ここでは、戦争中、大陸で妻を失ったという設定なのですが、こんな短い言葉でも、読者によって、いろんな発想が可能です。誰でも発想はできるのですが、それを論理性によってまとめられるかが、作家になれるか否かの境界線だと思います。今のわたしはそんなところを修行中なわけです。
しかし、管理人さんの文章を読んでいると、この段階はすでに過ぎていると思います。事実、現実世界(非ネット世界)において、これほど文章が書ける人間に出会うことができなかったのは、我が身の不幸だと思っています。
uenoさんこんにちは!
こんな近くにフォレスターと同じ人がいらっしゃった!
この映画を見たときに、映画は虚構だとはわかっていても、この文章修業のシーンには何か核心のようなものを感じました。ただ、自分ではその核心がよくわからない。まさにジャマールと同じ気分です。
uenoさんからいつもコメントをいただくことで、確実に私の文章に対する考え方が変わってきています。もちろん、よい方向に、です。カオスだった思考に外部からの刺激が加わったことである方向性が生まれてきました。漠然としているのですが、自分にまとわりついている様々な「何か」がもう少しで見えてきそうな気がするのです。
ところで「感動の幾何学」という本に興味があります。すでに流通していないようなので、古本屋を回るときに探してみます。
私は今、考えて話を作ってるが
やっぱ書かないとだみだ。
何か断片を書かないと何も生まれないのだ。
と、色々趣向凝らして創作してます。
まだ創作するための実験してるのかって
笑われそうですけど。
小生さんこんにちは!
Blog更新されていましたね。
これはあくまでも小説(映画)の話なので、どこまで本当なのかはわかりません。
でも、まったくのウソとも考えられないリアリティがあると思うのです。
とりあえずあの手この手で創作に取り組んでいこうと思います。なかなか先は見えてきませんねぇ。
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