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ゆっくりと小説を書こう

小説の書き方やお役立ち本などを紹介するBlogです。「小瀬朧」名義で第9回ビーケーワン怪談大賞をいただきました。twitterでtwnovelや短歌などを発表中。

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投稿日:2024年11月21日(木)

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解決はできないがちっぽけにすることならできる

投稿日:2008年10月23日(木)

以前、悩みにはどこか楽観的な部分があると書いた。

それが「悩み」と呼ばれるうちは、言葉の厳密な定義はともかく、解決される可能性があるという希望が含まれているからだ。悩みの原因が何か障害によるものだと自覚しているなら、その障害を取り払うことで悩みも解決されると考えるということでもある。

自分のことをたなにあげるなら、小説が書けない「悩み」などといっているうちはまだ切羽詰まっていない。自分が書けないのには何か理由があるはずだ。それを突き止めてしまえば、書けるようになるに違いない。内心、こう考えている。これは酷い楽観だろう。

ところが、自分が「悩み」だと思っていることが、実は「悩み」なんて生やさしいものではないことだってある。本当は、解決策なんか何もないことのほうが多いだろう。それでも、解決の可能性があるのではないかという儚い望みによって、それが無理矢理「悩み」へと格上げされている場合もあり得るということだ。

自分が抱えているそれの正体は「悩み」なんかではなく、「不安」や「恐怖」といった、心の内奥にひそむ暗闇かもしれない。深淵という言葉が無性に使いたくなる、あの暗闇のことだ。

小説家志望の「私」は、今、その深淵に呑まれかかっているのに、作り笑いを浮かべながら助けを求めているのかもしれない。そして、その様子は見ている周りの「私」にも明らかであって、もう助からないとわかっているのに、やはり作り笑いを浮かべながら、大丈夫だよ、助かるよ、と声をかけているのかもしれない。

かかる状況に置かれたとき、解決なんかできないとわかったとき、どうするだろう。もっと大きく深く暗い深淵を他に探すはずだ。ああ、あの恐ろしい深淵に比べれば、自分はまだましだ。自分の深淵はなんとちっぽけだったんだろう。そうして、つかの間の安心感を得る。繰り返し、繰り返し、完全に呑まれるまで。

自分の抱える問題が解決できないとき、自分より酷い境遇の人々を見て、自分自身のそれを矮小化してしまうという、よくある話。



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プロフィール

HN:
小瀬朧
性別:
男性
自己紹介:
創作怪談、twitterの短文小説#twnovel、短歌など。
メールでのご連絡は benzine100@gmail.こむ スパム対策なのでこむをcomにかえてください。 


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