投稿日:2024年11月22日(金)
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投稿日:2009年03月09日(月)
「少女架刑」をきっかけに、吉村昭に一気にはまり込んだ。私の体は、週に一度ぐらいの割で解剖教室に引き出され、学生たちの手に握られたメスで少しずつ刻まれていった。
皮膚はすべて剥がされ、眼球や爪や両鬢に残っていた髪までがいつの間にかなくなっていた。手足はむろんのこと、脊髄すら一個一個分解された。
(「少女架刑」より)
木箱が燃え崩れて、私の体は、焼却室の中にひろがった。
火の色は、華やかで美しかった。
(「少女架刑」より)
死んでしまった瞬間から、目や耳といった肉体の器官は機能していない。それでも、少女の死体は周りの様子を見たり、耳を澄ましたり、骨になってからも、骨壺のなかの温かさを感じたりする。小説という虚構なのはともかくとして、読後に、死に対する恐怖感の質が変わってしまった。ラストは、自分に取っては、夜眠れなくなるほどに恐怖を感じたが、人それぞれかもしれない。
死んでしまった人間の冷静な視点というと、現代の作品では、乙一の「夏と花火と私の死体」が思い浮かぶ。が、肉体と視点の離れ具合は「夏と花火と私の死体」のほうが著しい。肉体としての「わたし」はそこにいなくても、「わたし」がつねに語っている。
また、死体がモノとして扱われる作品というと、大江健三郎の「死者の奢り」が印象深い。こちらは大学病院の死体置き場での、死体運びの話だ。
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