投稿日:2024年12月04日(水)
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投稿日:2009年02月09日(月)
語彙と表現を増やそうかと思い、ぜんぜん好きでもない作家の小説からフレーズをノートに書き写していた。それがここ一週間の話。
なぜ好きでもない作家の小説を選んだかというと、語彙と表現を偏らせないためだ。そう考えた。好きな作家の作品なら、何度も読んでいるし、気に入ったフレーズはどんどん真似して使っているから、あえてやる必要はない。でも、そのままだと言葉選びや言い回しが好きな作家にあからまさに似てしまう。だから、ぜんぜんまったくこれっぽっちも好きでない作家の小説を選んだ。(そうはいっても、家にあるぐらいだから、嫌いというわけではないだろうね)
ノートにフレーズを書き写すといっても、自分の場合はまだ基本的な言葉ばかり。「振り向く」とか「~から…のなかを覗く」とか「ひっくり返る」とか「声を荒らげる」とか「腰に手をあてる」とか、そういうレベルの話だ。
冗談ではないよ。
これは単に言葉の言いかえの問題ではなく、人間の動作や風景の在り方を言語化するために必要な準備なのだ。頭のなかにはイメージが浮かんでいる、でも、それを言葉で言い表せない、というもどかしさを克服したいということでもある。
さっきあげた言葉だって、読めばおそろしく簡単だけど、自分が小説を書くときにその言葉がスムーズに出てくるとは限らないのだ。
というようなことを、わりと夢中でやっていた。
ところがだ。
そんなことをしていたからなのか、自分の文章のリズムがおかしくなってしまったのだ。客観的に判断できるかわからないが、書いている本人としては、なんだかすごく気持ち悪い。
で、文章のリズムが変わると、小説全体のリズムまでなんだかおかしくなる。リズムってなんだよ、と言われても、自分にだってよくわからないけど、とにかく気持ち悪い。
それで思った。
小説は文章から成り立っている。構成している個々の文章によって、小説の展開まで変化してしまう。そんな気がしてならない。極端な例を考えてみるなら、ドロドロと暗い文章で書いていれば、小説のストーリーだってドロドロと暗いものになっていくように思える。暗いストーリーだから暗い文章になるのではなく、暗い文章だから暗いストーリーになっていくこともあるのではないか、という仮定なのだ。もちろん、今あげた「暗い」というのは極端な例だ。現実に即して考えれば、文章から感じられるインテリ臭や負け犬根性や僻みや妬みなんかが、そのまま小説全体の流れまで支配してしまうということだ。プロの作家なら内容に合わせて文章を変えているのかもしれないけれども、素人にすぎない自分にとっては、たぶん、文章によって小説の内容が変わってしまう。
というわけなので、しばらくの間は、このことを考えてみる。
時には、無意識に任せることも、必要ではないかと思います。
日々行っている読書によって、意識せずとも、文章の要諦が流れ込んでいるのではないでしょうか?
しかし、これをやるためには、視野の拡大が必要であることも確かです。
私の場合、自己に固執することが多くて、視野の狭窄が問題なのですが・・・。
それは、ともかく、読書と文章書きを交互にやることで、意識せずとも学べるのかもしれない、というのが私の仮説です。
双方を弛まなくやることが、文章の流れやリズムを生むのかも知れません。
これに抵抗せずに、乗ることができると、スムーズにストーリーも表現も、うまくいくことができます。
もちろん、これが難しいのですが・・・・。
uenoさんこんにちは。
「読書」と「文章書き」を交互に繰り返すのは、どちらか一方に偏るよりずっと効果があると、実感しています。とくに、私の場合、実作の量が絶望的に少ないため、なおさら強く感じるところです。
じっさいに書くと、自分に足りない語彙と表現がわかります。映像は頭に浮かんでいるのに言葉にできない。その状態で読書しますと、自分が表現したかった言葉に出会ったとき、すっと頭に入ってくる。これが無意識の作用によるものならば、
uenoさんの仮説は核心に迫っていると思います。
ここ2ヶ月ほどで理解に至ったのですが、「書く」と「読む」をバランスよく両立させるのがもっとも効率的な小説修業ですね。これに「考える」を入れれば、よく言われる「三多の法」になりますから、先人の教えは偉大です。ちなみに、「考える」については、逆に考えすぎではないかと思うほど、起きてから寝るまで考え続けていますから、今のままでいいのかなと思っています。
あと、私にとって大問題なのですが、どうやら「小説」に身を委ねることにまだ抵抗があるようです。正体のはっきりしない躊躇いと戦い続けている気分です。
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