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ゆっくりと小説を書こう

小説の書き方やお役立ち本などを紹介するBlogです。「小瀬朧」名義で第9回ビーケーワン怪談大賞をいただきました。twitterでtwnovelや短歌などを発表中。

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投稿日:2024年11月21日(木)

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『芥川龍之介』

投稿日:2009年02月09日(月)

ブログの存在を根本から揺るがすけど、たとえば、私が何を買って何を読んで何を考えたかを書いて、何になるのだろう。何にもならないと思う。

言葉を発する直前、頭のなかで「だから何」の一言を付け加えてみる。そうすれば、およそこの世の中には、語る価値があるものなんかないと気づける。

私は今日、BOOKOFFでちくま日本文学全集の『芥川龍之介』を105円で買ってきました。……だから、何?

悲しくなってくるぜ。


それはともかく、芥川龍之介は、じつはそれほど読んだことがないよなあと思う。断言しないのは、ほら芥川龍之介ぐらいになるとさ、教科書に載っていたり、図書館で読んでいたりするじゃん。読んでいなくても『蜘蛛の糸』あたりだったら、極楽から地獄にのびる一本の蜘蛛の糸とそれを上る亡者の姿というビジュアルはどこかで目にしていると思う。ちなみに、中学のとき『杜子春』の演劇を見た覚えがある。どこかの劇団が学校を巡回しているってやつかな。あれ、小学校だったかなあ。

で、今回手に入れた『芥川龍之介』には『杜子春』は収録されている。でも『蜘蛛の糸』は入っていない。

個人的に好きなのは『トロッコ』だ。主人公の少年が興味半分にトロッコを押す手伝いをしたら、とんでもなく遠いところまで来てしまって、泣きながら家まで走って帰るというような話だったと思う。うまく言えないけど、自分自身が大人になるまでの間に積み重ねてきた無数の経験は、すべてこの『トロッコ』に重なるような気がするんだ。どんな気分っていうのかなあ。(そのときの)世界の果てまで行って帰ってくるという気分か。保育園に通っているころの、私の世界の果ては農協だった。農協の建物の向こう側には、絶対に行くことがないと思っていた未知の世界があった。すぐ近くなんだけどね。歩いて10分もかからない。もっと小さいころは、きっと家の門が世界の果てだっただろう。もっと前は部屋の扉、もっともっと前は、ベビーベッドだったかもね。

話が変わるけど、以前、瞑想をしていたらかなり深みにはまって、なんだか誕生の瞬間のようなヴィジョンを見たことがある。誕生といっても、産道云々の生々しい肉体的な話じゃなくて、自分がこの世界に発生した瞬間かな。強烈な光が見え、誰か女性の声が聞えてきた。

話がまた変わるけど、ビジョンといえば、最近は夜中になると、怖ろしい形相の人々が現われて私を苦しめる。もちろん、脳の錯覚だから害はないのだろうけど、血まみれで頬の肉がはがれ落ちた女性の顔を何回も見るとげんなりしてくる。拳銃を片手に、毎晩頭を吹き飛ばして見せてくる男性も、もう出てこなくていいよ。誰なのさ。

先日なんか、誰かが私の上にのっかているんだ(もちろん脳の錯覚な)。顔を見ると、お母様で、いよいよ私を殺しにきたらしいと察した。どけよ母ちゃん、許してくれよ、あっちいけよ、と大声を出そうとしたんだけど、まあ幻覚だとわかっているから、放置した。

しかし、あれだねえ。自分の体験を語るってのはこのうえなく陳腐になるよね。何が世界の果てだ、何がヴィジョンだ、と。悲しくなるぜ。

とかなんとかいいつつ、今『トロッコ』を読み終わった(ブログを書きながら読んでいました、器用な真似です)。記憶よりずっと短い話で驚いた。壮大な話だと思ったのに、じつにあっけなかった。





 

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プロフィール

HN:
小瀬朧
性別:
男性
自己紹介:
創作怪談、twitterの短文小説#twnovel、短歌など。
メールでのご連絡は benzine100@gmail.こむ スパム対策なのでこむをcomにかえてください。 


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