投稿日:2024年11月22日(金)
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投稿日:2008年04月30日(水)
小説が書けなくなっていく。もちろん、陳腐な弱音だ。自己愛ともいう。俺は自分がかわいくてたまらない。だから自分を傷つけたくない。痛いのは嫌だ、当たり前だろ。つまり、ヘタクソな小説を書いて馬鹿にされたくないってことだ。俺の無意識の領域は徹底して過保護なんだ。
小説を書くためにはまず読書が必要というアドバイスに従っていた。頭の中に「小説」を詰め込めば、いつか勝手にあふれ出てくると期待していた。古今東西の名作が頭の中で発酵して新しい小説になるはずだった。なんとなくキーボードに向かうだけで、そこにはもう小説が鎮座している予定だった。
自分自身に対して好意的な解釈をするなら、これは身の程を知ったというある種の成長だといえる。今後は謙虚な姿勢で地道な努力をしよう、と実にありきたりな標語を掲げて日記の終わりとするだろう。俺はけっこう物分りのいい人間なのだ。小学校のときは優等生だった。おとなしくて、教師のいうことには何でもハイと応えていたからね。日本じゅうの小学生が俺であるなら、教師というのはなんと楽な仕事だろうと思う。さあ、明日からは謙虚な姿勢で地道な努力をしよう――。
しかし、読書によっていらん知恵をつけた俺はそんな小学生じみた結論を捨てる。本を読んだら小説が書けなくなった? あ、そう。わかったから、口を閉じろ、と自分自身にいう。とにかく、黙れ。沈黙だ。言葉を止めれば、思考も止まる。止まるのは「俺」の思考だ。俺の思考は止まっても、やはり無意識の領域のさらに奥深くのどこかは考え続けている。何をどう考えてくれているのかは俺にはわからない。いつか何か出てくるだろう。
要するに、俺はただ読み続ければいいのだ。うん? 何も変わってないか。
追記
ここ最近なのだが、以前にも増してかなり強烈に「夢」を見るようになった。念のため書くが、睡眠中にみる「夢」の話だ。映画や漫画のようなヴィジュアルな刺激を受けているなら納得できるが、小説を大量に読んでそれが夢に影響するというのはなんだか不思議だ。文字の刺激が夢という形でヴィジュアルに変換されているのだ。俺の脳内での出来事なのに、俺はその作業に一切関わっているつもりはない。それで、確信したわけだ。
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