投稿日:2024年11月22日(金)
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投稿日:2009年03月23日(月)
22日の日曜日、国道沿いの中古車屋のさくらが満開になっていたので、もうそんな季節かと思い、地元にある有名なさくらスポットに行った。投稿日:2009年03月22日(日)
吉村昭の「動く壁」より。哄笑という言葉が出てきたけど、どんな笑い方なんだろう。哄笑の意味を広辞苑でひいてみる。「阿呆づらかくな。足もとぐらいよう見て歩け」
冷笑するような声が、逸見に浴びせかけられた。と同時に、ロビーに哄笑が起った。が、それは、すぐに蔑んだ苦笑の渦に変って行った。
こうしょう【哄笑】
大口をあけて声高く笑うこと。大笑。おおわらい。「腹をゆすって-する」
【哄】コウ グ
多くの人の声。どよめき。また、どよめく。ときの声をあげる。
【哄笑】コウショウ
大声でわらう。大笑い。高笑い。
漢語林によると「哄」から始まる熟語は「哄笑」だけらしい。
「哄笑」には反対語がある。『活用自在 反対語対照語辞典』に出ている。
こうしょう【哄笑】
大口で笑うこと。
びしょう【微笑】
かすかに笑うこと。ほほえみ。
ところで、言葉に対してナーバスな人を軽く悩ましているのが「大笑い」と「爆笑」の違いだ。誰が指摘し始めたのかわからないけど、違いがあるらしい。広辞苑をひいてみる。
おおわらい【大笑い】
(1)大声で笑うこと。
(2)ひどい物笑いの種。「こいつは-だ」
(3)猥談。
ばくしょう【爆笑】
大勢が大声でどっと笑うこと。「-の渦につつまれる」
「爆笑」の説明に「大勢が~」と書かれていることから、一人で大笑いすることを「爆笑」というと誤用とされるらしい。文章中で「爆笑」を使うと、「他にも人がいたんですね」と意地悪く突っ込んでくる人がもしかしたらいるかもしれない。
ネット上の言葉関連のサイトを見ると、大笑い=一人、爆笑=大勢、と解説するところがほとんどだ。
なるほど、それなら「大笑い」のかわりに「哄笑」を使えばいいんだ!
と一瞬思ったけど、危ない。上でひいた広辞苑には「哄笑」という行為が一人なのか大勢なのかという区別は書かれていない。また、解説のなかに「大笑い」が出てくるので、一人で笑うことと考えても間違いではないだろう。
ところが、漢語林でひいた「哄」の字には「多くの人の声」「どよめき」といった意味があることから、「哄笑」は大勢が笑っているというイメージがある。しかし、「哄」と「笑」で熟語になった場合の解説には「大笑い」とある。それと、「哄笑」の反対語が「微笑」であるなら、やっぱり一人で笑うことのようにも思える。
よくわからないなあ。
投稿日:2009年03月21日(土)
吉村昭の作品に残照という言葉を使った表現が出てくる。残照の意味は広辞苑によるとこうだ。ざんしょう【残照】
日没後、なお、空に照りはえて残っている夕日の光。
その義父の生涯にとって、関東大震災の起きた後の一月ほどは、おそらく残照にも似た華やかな意義をもった日々であったのだろう。
私は、時折、うつろな眼をして考えこんでいる自分を発見するようになった。五十歳を超した私の前には、一年一年、年齢を重ねてゆくにつれ金銭だけを露骨にもとめる女だけしか現われてこないことが予想され、その上、私は女たちに無惨にも裏切られつづけてゆくだろう。すでに人間としての黄昏は近い。もし残照の余映が自分の周囲にまだ残されているならば、私はそれを確実に握りしめなければいけないのだ。
たそがれ【黄昏】
(1)「たそがれどき」の略。
(2)比喩的に、物事の終わりに近づき、衰えの見える頃。「人生の-」
寂しい気分になってくる。よえい【余映】
あとに残っている輝き。余光。
黄昏
夕暮れ。夕方の薄暗いとき。古くは「誰そ彼」と書き、人のさまの見分けにくいときの意をいった。これから夕暮れ時をさすことばに転じた。一説には、農夫が田から退いて宿に帰る意で、田退(たそかれ)の意とするものもある。
黄昏
夕暮れて暗くなると、人の顔が見分けにくい。そこで「誰そ彼は」が「たそがれ」になった。朝方の暗い部分は「彼(か)は誰(たれ)時(どき)」を略して「かわたれ」といい、両者を使い分けた。
かわたれ
「かわたれどき」の略。
かわたれどき【かわたれ時】
(薄暗くて、彼は誰か、はっきりわからない時の意)明け方または夕方の薄暗い時刻。後には夕方の「たそがれどき」に対し、明け方をいった。かれはたそどき。
港口正面の堀割の岸にある彼女の家は、荷揚場の往来から、それに平行した町中の本町通りまで続いているぐらい広大で、従って上部に釘の並んだ黒板塀に添うてぐるりを一巡してみても、いったいどの辺に彼女の居間があるのか、見当などは付けられないのだった。「かわたれ時」という言葉を少年雑誌のページで知ったのは、この頃の話である。黄色い薄暮の高い窓辺から往来を眺めている少女の物語の中に、私は「かわたれ時」という言葉を発見した。夕暮には行き交う人々の顔がぼやけて、「彼は誰であるのか?」と疑われるところからそう云われるのだ、と家の書生が教えてくれたが、当初、かわたれという奇異な語音の中には、河童の連想があった。それにこの刻限は、すでに知っていた「逢魔ヶ時」と一致するのであったから、私は、夕方に歩いていると覚えもつかぬ区域に自分が紛れ込んでしまい、どこが入り口なのか判らぬような大きな屋敷の高い窓辺に、赤沢さんめく幽閉少女の白い顔を認めるような気がしたものである。
(稲垣足穂「彼等」より)
はくぼ【薄暮】
薄明かりの残る夕暮れ。くれがた。たそがれ。ひぐれ。「-ゲーム」
おうまがとき【逢魔が時】
(オオマガトキ(大禍時)の転。禍いの起る時刻の意)夕方の薄暗い時。たそがれ。おまんがとき。おうまどき。
投稿日:2009年03月20日(金)
壁龕という言葉が出てきた。へきがんと読むらしい。壁龕の意味はなんだろうか。小説ではこう使われている。
そして片側の奥深い壁龕では、文字盤に不可解な象形文字が記され、四本の針がこの惑星にて知られるいかな時間律にも一致せぬ動きを見せる、棺の形状をした奇妙な時計が時を刻んでいる。
(「銀の鍵の門を越えて」ハワード・フィリップス・ラヴクラフト 大瀧啓裕訳)
部屋の何からしいが、とりあえず広辞苑をひいてみる。
へきがん【壁龕】
→ニッチ(1)に同じ。
いきなり飛ばされた。ニッチといわれてもその意味がわからんつーに。ニッチをひいてみる。
ニッチ【niche】
(1)西洋建築で、壁面の一部をくぼめた龕(がん)状の部分。キリスト教会堂の内壁などに設け、彫像などを置く。壁龕(へきがん)。
(2)[生]生態的地位のこと。エコロジカルニッチ
龕状と説明されても、その龕がわからんというに。
がん【龕】
(1)仏像を納める厨子(ずし)。「仏龕・龕灯」
(2)棺(ひつぎ)。
ついでに「仏龕・龕灯」とはなんぞや。
ぶつがん【仏龕】
仏像などを入れる厨子(ずし)。仏壇。
がんどう【龕灯】
(1)仏壇の灯。灯明(とうみょう)。
(2)強盗提灯(がんどうぢょうちん)、また、強盗返しに同じ。
実は厨子もよくわからないのでひいてみる。
ずし【厨子】
(本来厨房において食品・食器を納めた棚形の置物)
(1)仏像・舎利(しゃり)または経巻を安置する仏具。両開きの扉がある。
(2)調度・書籍などを載せる置き戸棚。棚の一部に両開きの扉をつけてある。厨子棚。
(3)屋根裏。天井裏の物置場。つし。
今度は漢語林で龕をひいてみる。パソコンのモニターだとつぶれて見えないけど、「合」の下に「龍」があるのかな。
【龕】ガン
(1)ずし。神体や仏像を安置する小さな箱。
(2)寺の塔。また、寺の塔の下の室。
(3)取る。攻め取る。
漢字の成り立ちについてはこう書いてある。
容器にとじこめられた、りゅうのさまから、世の乱れを平定する、とじこもるの意味を表す。
さて、インテリア用語としては「壁龕」はどうなんだろう。『図解インテリア・ワードブック
』を調べてみると、残念ながら「壁龕」は掲載されていない。「ニッチ」ならあるかな。
ニッチ niche
→アルコーブ
どうやら、ニッチはアルコーブのことらしい。しかし、アルコーブの意味がわからない。アルコーブとはなんだろう。
アルコーブ alcove
部屋や廊下などの壁面の一部を後退させて造られた、くぼみ状の空間。食事のコーナーやベッドを置く場所として使われることが多い。和室の床の間もこの一種とみなすことができる。
アルコーブより小形で、壁の一部を半円形などにえぐって彫像や装飾品などを置く部分は、ニッチ(niche)と呼ぶ。
『図解インテリア・ワードブック
』にはちゃんと図が掲載されているので、一目瞭然、なるほどアレかとわかった。
一件落着。
投稿日:2009年03月19日(木)
吉村昭の小説に「面映ゆい」という言葉が頻繁に出てきた。読み方は「おもはゆい」らしい。おもはゆい 面映い
文語オモハユシの口語。顔を合わせるのを恥じるさま、心の中できまり悪く思うさま。
オモ(面)マバユシの意で、語源はオモ(面)ハユ(映)の状態の形容詞化。古語ハユ(映)のハにははっきりする意の「端」の意がある。内心ひけ目があって、相手とまともに顔を合わせるのがまばゆく感じられるのをいう。類語キマリ悪イ・気ハズカシイ・テレクサイ。
(語源辞典形容詞編より)
「まだ、お若いようですね」
男は面映ゆ気な表情で手拭をかぶせられた私の方を見つめた。
「さようで御座いますか、御丁寧に。……では、遠慮なく頂戴させていただきます」
母は、一寸面映ゆ気な表情を顔に浮かべながら、指を揃えて深々と頭を下げた。
老人が背伸びするようにして白い布をはずすと、内部から白い骨が徐々に現われてきた。老人は、白布をとり除くとそれをまるめて抱き骨標本を見上げた。面映ゆそうな表情だった。
「いいえ、まだだめです」
加茂は、面映ゆそうに苦笑した。
「大したものを作ったね」
教授は、そう言ってかれの顔を見上げた。
倹四郎は、面映ゆそうに顔を紅潮させていた。
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