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ゆっくりと小説を書こう

小説の書き方やお役立ち本などを紹介するBlogです。「小瀬朧」名義で第9回ビーケーワン怪談大賞をいただきました。twitterでtwnovelや短歌などを発表中。

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投稿日:2024年12月04日(水)

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道をやって来る夢

投稿日:2010年02月15日(月)

 非常に幼いころの夢のパターンですが、「○○が道をやって来る」がベースとなった夢は大変恐ろしく、今でも心の奥底で私にとっての恐怖の原型を維持しています。

舞台となる道は我が家の裏にあります。東西にのびる細い町道で、西に数十メートル行けば国道と交差し、東に向かえば遙か遠くに街を見下ろす緩やかな坂道です。

先月、姪と動物園に行って象を見たときふっと思い出しました。夢に間違いないのですが、その道を象がゆっくりとやって来る光景です。ドスンドスンと重々しい足音が鳴り響き、窓から見ると象が鼻を左右に振りながら徐々に近づいてきます。

今思うと何が怖いのか全く理解できないのですが、幼少の私には途轍もない恐怖に感じられたようで、その後ずっと心を痛めていました。枕に耳を押しつけると聞えてくる自分の鼓動が象の足音のようで、横向きでは眠れなくなった覚えがあるぐらいです。

ただ、象が怖いわけではありません。「象が道をやって来る」のが怖かったのです。

もう一つ、これはわかりやすいかもしれませんが、御輿のようなモノを担いだオバケの集団がやはり家の裏の道をやってくるという夢です。まだ妖怪や百鬼夜行などという知識はないはずなので、そういう意味でも興味深いのですが、じつにバリエーションに富んだオバケたちでした。

他にも、「溶岩が道を流れて来る」「ゴリラが道をやって来る」「銃を持った殺人者がやって来る」などの夢が記憶に残っています。

共通しているのは「何かを運んで来る」という「道」の持つ機能です。ですから、正確にいうなら「何かが道をやって来る」ではなく、「道が何かを運んでくる」となります。つまり、何か得体の知れないモノを運んでくる「道」に対する恐怖感が夢となっているわけです。

そうか私は道が怖いのか――

とこれを書きながらようやく気付いたり。


あ。


ということは、私がよく見る夢のパターン「どこか知らない道を行く」の意味もわかるような気がします。この場合は、「道が私を運んで行く」と解釈できます。どこか知らない町へ運ばれていく私。一見自分の意志で道を行くようで、実は抗うことのできない力によって流されているだけの私。

ちなみに、以前夢のなかで夢と気付けたとき、道ばたの看板の文字をしっかり読んで記憶に残してきました。青い看板に白い文字で「ムジナムリョウの道」と書かれていました。ああ、ここがあのムジナムリョウの道だったのか、と感慨深い思いに満たされました。まあ夢なので覚めてしまえばそれっきりですが。それにしてもムジナムリョウとはなんだろう?




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小瀬朧
性別:
男性
自己紹介:
創作怪談、twitterの短文小説#twnovel、短歌など。
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