忍者ブログ

ゆっくりと小説を書こう

小説の書き方やお役立ち本などを紹介するBlogです。「小瀬朧」名義で第9回ビーケーワン怪談大賞をいただきました。twitterでtwnovelや短歌などを発表中。

[PR]

投稿日:2024年11月23日(土)

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

『小松左京ショートショート全集 《全1巻》』

投稿日:2008年10月18日(土)

ネットの古書通販で購入。1995年発行、勁文社。

この全集には192篇が収録されている。しかし、1998年に3冊に分冊されたケイブンシャ文庫の第1巻を見ると、小松左京氏のショートショートは196篇となっている。先に発行されていた《全1巻》の全集には未収録があるということだ。ああ、こっちの全集は買う必要がなかったってことか。文庫版を素直に揃えていればよかったのか。

なぜ思い出したかのように小松左京氏のショートショートを集めるかというと、先日購入した『ショートショートの世界』の影響だ。『ショートショートの世界』はショートショートのとても良質なブックガイドになっていて、タイトルだけでなく、書影までもが大量に掲載されている。それを見ていたらうずうずしてしまって、その日のうちに古書通販で探して注文してしまった。

ところが、たった今Amazonを見ていて気づいたが、小松左京氏のショートショートは現在ハルキ文庫から全5巻で発行されているのがわかった。収録数も増えているらしい。

あー。

本を買うときは下調べが大事だね。

PR

悪夢フルセット

投稿日:2008年10月17日(金)

だから昼寝はするものじゃない。

また学校の夢だ。俺は夢のなかで夢と気づく。同じ夢を何回も見ていれば、自分がすでに学校に通う年齢でないことはすぐに思い出す。俺は話しかけてくる、中学・高校がごっちゃになったクラスメイトたちをひたすら無視し、この夢がどうなるか考えていた。

窓の外を見ると、形式のわからないヘリコプターとF-22が編隊を組んでゆっくりと飛んでいる。ありえない光景がいかにも夢だ。しかし、俺は漠然とした不安に駆られた。教室から走り出した。おそらくこれは終末の夢だ。

俺は階段を駆け下りる。今度は階段の夢か。とにかく今は地下に逃げることに専念する。だが、この学校に地下はなかった。思いがけず外に出てしまった俺は、校舎の正面に据え付けられた赤い警告灯がけたたましい音とともに明滅しているのを見る。警告灯の下にはボロを着たみすぼらしい爺さんがいて、これはなんだろうなあ、と俺に聞いてくる。爺さん早く逃げろ、と俺は叫ぶ。

これは最悪の夢だ。

俺は夢のなかで確信した。逃げる場所がない。空を見上げると、銀色に輝く物体がゆっくりと降下していた。よりによってこんな近距離で爆発されたら助かりようがない。爆心地、衝撃波、蒸発、地面に焼きつく人の影、不吉な言葉が次々に思い浮かぶ。いくら夢とはいえ、死にたくはない。せめて校舎の陰に隠れることができれば、即死は免れるかもしれない。生き残りさえすれば、根性で夢を終了させることができる。悪夢なら、目を覚ませばいいだけのことだ。

俺は校舎の陰を目指してはしっ――









普通なら、こういうときは目が覚めると思う。しかし、今回も目は覚めなかった。夢のなかで俺は死んだ。死んだ感覚というのも変なのだが、俺が夢のなかで体験する死は、「白と黒が同時に存在する世界」だ。灰色ではない。まばゆい光と暗黒が解け合っている、そういう世界に俺はなっている。「俺がいる」のでなく、俺がその世界そのものになっている。そういうヴィジョンなのだろうが、そこに自分と世界の区別はない。



夢は終わらない。

俺は死んだのだが、死の世界から夢の世界に引き戻された。夢なのだからなんでもありだろう。あえて理屈をつけるなら、幽霊になっている夢か。

俺は黒こげになった街にいた。生きている者は誰もいないようだ。誰もいないし、俺も死んでいるから、何もすることがない。

何もすることがないから、俺は目を覚ました。

「とにかく書く」のは大事だ

投稿日:2008年10月17日(金)

このBlogをはじめた頃とまったく正反対の意見になってしまうが、小説に限らず文章というものは「とにかく書く」のが重要なのだ。別に大多数の意見に迎合したわけじゃない。実際に書いていて、結局は「とにかく書く」に行き着いてしまうのだ。

だから言っただろう、とあなたは今思っているかもしれない。まさにそのとおりです、はい。

同時に、重要なのは「とにかく」の部分だと気づいた。とにかく、なのだ。じっくり、ではない。四の五の言わずに、書く。考えてから書くなんてのは、無理。書いて、考え、書いて、考え……の繰り返しなのだ。俺はそうだ。

書かないことには自分の文章の巧拙がわかるわけがない。結果として生まれた文章がどんなに駄文であろうが、次の文章へのステップになる。もちろん、それは自覚のある駄文でなければならないが。

そこで思ったのだが、(なるべく)毎日書いているこの一連の雑記のように、何か作品が書けないだろうか。いや、書くのは俺なのだから「何か作品が書けないだろうか」なんて悠長すぎるね。書く、ということか。ちなみに、詩だったらいくらでもストックがあるし、ここ最近も書いているので毎日公開できる。でも、小説は書けないなあ。

先日偶然入手した『ショートショートの世界』に何か意味深長な啓示のようなものを感じるのは、うーん。

嚆矢ってなに

投稿日:2008年10月16日(木)

まったく読めなくて困った。これがWEBならコピーしてオンライン辞書等で調べられるのにね。読み方の見当もつかなかったので漢字辞典を使った。

【嚆】 コウ(カウ)
(1)さけぶ。よぶ。
(2)なる。矢が鳴る。

【嚆矢】 コウシ
(1)かぶらや。鳴りひびく矢。
(2)昔、戦いを始めるしるしに、かぶらやを敵陣に射かけたことから、物事のはじまり・おこりをいう。
(漢語林より)

嚆矢は「こうし」で、意味は「物事のはじまり」か。なるほど。

と、ここまで書いて、もう一度この「嚆矢」が使われていた本を見てみたら、別の場所で振り仮名がついていた。なにやってんだ、俺。

ちなみにこう使われている。
 「女か虎か」について詳細に述べてきましたが、「女か虎か」がリドル・ストーリーの嚆矢というわけではありません。
(『ショートショートの世界』p.175)

もう一カ所。
 嚆矢に関しては不明ですが、たとえば、「長靴をはいた猫」で有名なシャルル・ペロー(一六二八~一七〇三)にも三つの願いを扱った作品があるくらいで、大昔から書かれていたことは間違いありません。
(『ショートショートの世界』p.181)
これは結構使いたくなる言葉だな。覚えておこう。


人の振り見て我が振り直してしまう

投稿日:2008年10月15日(水)

傍若無人に振る舞いたいなら、他人の文章は読まないほうがいいなと思った。俺のことだ。

「人のふり見て我がふり直せ」なんてことわざは、余計なお世話としかいいようがないのだが、いざ他人が俺と同じようなことをしているのを見ると、ことわざに従うつもりはまったくないのに、自分の「ふり」を直してしまう。

たとえば、ちょっと気に入らない内容の本があったので、意地悪く酷評してやろうかと思ったとする。俺はまずWEBで検索して、同じ本を他の人がどのように評価しているか調べる。これは誰でもやるだろう。すると、たまたま見つけたサイトで、俺が考えていた以上にねちねちとその本をこき下ろしていた。それを見て俺は急に萎えてしまうわけだ。

もし、そのサイトを見つけていなければ、俺も同じことをやっていた。しかし、俺は見つけてしまった。俺は、俺がやろうとしていた行為を他人がやっている姿を見て、その馬鹿さ加減に呆れてしまう。誰かを馬鹿にするという行為は自分の馬鹿も同時に晒してしまうということだろうか。それに気づいてしまうと、もう書けない。書けるわけがない。

けれども、そんなことを繰り返していると、自分がどんどん「よいこ」になっていくのがわかる。「よいこ」は他人を傷つけない、迷惑をかけない、波風を立てない。文章を書く人間が「よいこ」になるのは、すなわちその他大勢、頭数、いてもいなくていい人になってしまうのと同じだ。文章を書きたいと思う根本には、他人に何かしら影響を与えたいという衝動があるはずなのだ。欲求なんて生やさしいものじゃない、衝動だ。その衝動が「よいこ」になっていくことでどんどん弱くなっていってしまう。こんなこと書いたら誰かに何か言われるかなあ、馬鹿だと思われないかなあ、俺が言わなくてもいいよなあ、と。

だからといって、一行目で書いた「他人の文章は読まないほうがいいな」というのも、間違っているんだけどね。あ、またひとつ「よいこ」になってしまった。

twitter

facebook

レコメンド

人気記事

ブログランキング

にほんブログ村 小説ブログ 小説家志望へ

★ブログランキングに参加しています。

カレンダー

10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

プロフィール

HN:
小瀬朧
性別:
男性
自己紹介:
創作怪談、twitterの短文小説#twnovel、短歌など。
メールでのご連絡は benzine100@gmail.こむ スパム対策なのでこむをcomにかえてください。 


バーコード

ブログ内検索

あわせて

あわせて読みたいブログパーツ

アクセス解析

忍者アナライズ

お知らせ