投稿日:2024年11月24日(日)
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投稿日:2008年04月20日(日)
俺の書くという行為そのものに影響を与えた作家が花村萬月氏だ。内容にではない。書くという行為そのものにだ。影響というと聞こえがいいが、じっさいは呪縛だと思う。それもかなり無意識の領域に食いこんでいる催眠術的な呪縛だ。尊敬とか傾倒とかそういう作家に対する恋愛感情のような気色悪いものではない。だから、花村萬月氏の小説作品を読むのはこの『ゲルマニウムの夜』が初めてなのだ。
いまとなっては理由はまったく不明なのだが、花村萬月氏が俺の学校で講演をした。芥川賞を受賞する前である。誰も花村萬月氏の名前を知らなかった。担任教師も知らない。当然、俺も知るわけがない。講演内容は日本全国をバイクで駆け巡り、雪の中でオナニーをしたというような印象しか残っていない。ひたすら下品な話が続いたと思う。もし当時に戻れるなら、あの講演会を司会がどういうように終わらせたのかその手腕を観察したい。それはともかく、間違いなくこのときに俺は感染していたのだ。そして長い潜伏期間に入る。
テレビや新聞、雑誌、書店が『ゲルマニウムの夜』と「花村萬月」の単語を連発するようになったとき、あの講演会に関係した人間すべてが驚いたのはいうまでもない。愕然だ。本当なら忘れたことさえ忘れるようなごく平凡な学校生活の出来事、無名の作家による講演会の記憶が、古傷のように消えなくなってしまったのだ。日常生活に支障はきたさないが、それを見るたびに当時を思い出すという、まさに古傷だ。古傷はいつか美談にされるから、怖い。そして、俺は発病する。人生の選択肢というか逃げ道に小説を書くという行為が加わってしまったのだ。
もし、あの講演会が花村萬月氏ではなく、たとえば陶芸家だったり版画家だったりあるいは若き起業家だったりしたならと、ときどき思う。
投稿日:2008年04月19日(土)
小説やシナリオ関連の指南書を読んでいると必ず「神話」というキーワードにぶつかる。神話は小説を書いたりプロットを構築したりする際の材料になるということだ。中条省平『小説家になる!』では、神話が小説の材料になる理由を「神話が人類の集合的な無意識に根ざしているからだ」(同書より)と断言する。ゆとりある俺には難解すぎてまったくわからないが、とにかくいろいろな本で「神話」を創作に利用することを説いているのだから、ここは俺も見栄を張って知ったかぶっておくことにしよう。神話は大切ですよ、と。
だからといって今回購入した高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』は大げさすぎた。俺の手に余る。しかも値段が高い。ブックオフの105円本が20冊以上は買える。ああ、なんだかくらくらしてきた。買うんじゃなかった。いくらなんでもやりすぎた。猛省。
せっかくなのでひいてみる。アイギスなんかどうだろう。
アイギス Aigis
ゼウスとアテーナーの持物の一つ。普通山羊皮の形で表わされ、ヘーパイストスの造ったゼウスのアイギスは雷霆をもってしても破壊しがたいもの、これを一度振れば嵐を生じ、人の心に恐怖を吹きこんだ。アテーナーのは恐怖、戦闘、暴力、追跡で囲まれ、ゴルゴーの首が中央についている。一説にはこれはゼウスを育てた牝山羊アマルテイアの皮であるという。
(『ギリシア・ローマ神話辞典』より)
ある種の疾患を抱えた人々が感嘆しそうな記述だ。これは楽しい。念のため書くと、創作系の指南書が神話の利用を勧めるのは物語の構造を学ぶためであって、べつにこういうアイテムのディテールに興奮するためではない。とはいいつつ、いまだに中二病を患っている俺としてはひたすら神の名やアイテム名をひいて終わりそうだけどね。ちなみに、アイギスはイージスといったほうが馴染み深いよね。
投稿日:2008年04月18日(金)
同じ職場にいたS君は思いやりのある好青年だった。彼はことあるたびに俺の間違った日本語をその場で訂正してくれた。低学歴である俺に無料で教育を施してくれるのだからありがたい。俺は彼のさわやかな侮蔑に対する、劣等の感情で飾り立てた陰湿な感謝の言葉を毎日忘れないつもりだ。投稿日:2008年04月16日(水)
読み終えてない本がたまってきた。それでも買う。今日買ったのは2冊。
澁澤龍彦『東西不思議物語』
瀬名秀明編『贈る物語 Wonder』
澁澤龍彦氏の著作は見つけたらとにかく手に入れるようにしている。『東西不思議物語』はその題名のとおり、古今東西の不思議な話を集めたエッセイ集だった。これはけっこう「軽め」の本に見えるのでまっさきに読んでしまおうと思う。目次を見ただけでも、オカルト心をくすぐられる。
『贈る物語 Wonder』は以前購入した『贈る物語 Terror』と同じシリーズで、SF系の名作を集めたものらしい。『贈る物語 Terror』が、俺のような読書不足の人間にとって、怪奇系作品のエッセンスを吸収するのにかなり即効性のある本だったので、今回の『贈る物語 Wonder』にも期待している。ちなみに瀬名秀明氏の作品では『八月の博物館』が大好きだ。今でも本棚に残っている。
というわけで、読書タイム開始。
投稿日:2008年04月15日(火)
Blogで紹介するために本を整理している。なぜかシナリオ関連の本が9冊もあることに気づいた。本を読めば自動的に何かできるようになると勘違いしている典型なんだろうね、俺は。とりあえずタイトルをリストアップしてみる。
『演劇入門』
『シナリオの基礎技術』
『シナリオハンドブック』
『ハリウッドリライティングバイブル』
『ノベルゲームのシナリオ作成技法』
『別冊宝島144 シナリオ入門』
『シナリオ別冊 ストーリー工学』
『1億人の超短編シナリオ実践添削教室』
『「懐かしドラマ」が教えてくれる シナリオの書き方』
小説と違ってシナリオ関連だとかなり具体的でシステマティックな教本がいろいろある。じっさいに俺みたいなド素人でも、これだけの本を読めばそれなりにシナリオのようなものは書けるようになる。もちろんそれはシナリオの形式にしたがっているだけの文字の羅列であることはいうまでもない。作品としての価値を問うのは残酷というものだ。乱暴ないいかたをするなら、シナリオには形式があるから、その形式にあてはまるように文字を並べていけばいい。小説のように、比喩だの描写だのに頭を悩ます必要はない。あるのは場面と台詞の連続だ。ここまで書いてさすがにこの説明は乱暴を通り越して冒涜になっていないかと怖くなってきた。繰り返すが、こんな精神疾患を抱えているような考え方をしている人間が作ったものに価値を問わないで欲しい。罵声を浴びるまでもなく、今こうやって素人のまま右往左往している現実こそ、罰を受けている証拠なのだから。
それはともかく、今は小説を書くのが目的なのだ。ストーリーを作るのにこれらのシナリオ論が役に立つのではないかと考えている。
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