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ゆっくりと小説を書こう

小説の書き方やお役立ち本などを紹介するBlogです。「小瀬朧」名義で第9回ビーケーワン怪談大賞をいただきました。twitterでtwnovelや短歌などを発表中。

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投稿日:2024年11月24日(日)

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くものいと

投稿日:2008年05月13日(火)

科学のノンフィクションが面白すぎて、先週読んだ『パラレルワールド』もそうだし、いま読んでいる『宇宙旅行はエレベーターで』もそうなんだけど、夢中になる。何が面白いかって、ちょっと前(いつだよ)だとSFの空想扱いされていた理論や技術が、いまでは実現可能かもしれないとして真面目に検討されているってことだ。まったくすげぇなあ。俺が生きている間に科学技術はどこまで進歩するんだろう。

まだ読み終えていないけど『宇宙旅行はエレベーターで』には軌道エレベーターの作り方が書いてある。軌道エレベーターとは、地上から宇宙空間までのびる超巨大建造物で、莫大な費用がかかるロケットを使わずに宇宙まで行くことができるというものだ。当初は材質の問題で実現不可能とされていた。宇宙まで届くような超巨大建造物はどんな素材を使っても自分自身の重さでつぶれてしまうからだ。ところが、カーボンナノチューブの登場によって話は大きく変わった。カーボンナノチューブを素材にした長さ10万キロメートル(!)の細いケーブルを使えばいいというのだ。ちなみに地球の直径はおよそ1万2700キロメートルだから途方もない長さのケーブルになる。

その長さ10万キロメートルのケーブルを、地球から3万5000キロメートルの静止軌道上から地上へ向かって垂らすという。同時に、宇宙側に向かってもケーブルを繰り出していく。つまり、軌道エレベーターとは、地上から積み上げていく塔のようなものではなく、宇宙から垂らされる一本のケーブルから始まるものだったのだ。恐ろしくシンプルな構造に驚いた(もちろん、最終的にはいくつかのケーブルの複合体になるのだろうけど)。

空から垂れた一本のケーブルを人類がよじ登っていく。その日は意外と近いらしい。

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小林泰三『天体の回転について』

投稿日:2008年05月10日(土)

昨日買ったやつ。読み終えた。面白かった。短編集だった。

微妙にグロテスクというかスプラッターな話があったのには油断した。前知識なしにいきなり読むとこういう驚きがあって楽しい。ところで、アイデアが命のSF短編にうかつな感想を書くとネタバレになってしまうと思う。俺みたいな単純な人間は物語の核心部分をすぐに他人に話したくなってしまう。これは困ったことだ。かといって、ストーリーに触れずに感想だけを書くという高等な技術も持ち合わせていない。やっぱり、面白かった、この万能の一言で済ましてしまう。面白いの語源にわりと忠実な意味でね。すなわち、心に思うことがいちじるしい(『語源辞典 形容詞編』より)。……持っていてまったく役に立ちそうもない辞書だな、これ。

SFを読んだあとは空想が広がるというか知的好奇心が活性化するというか、そういうステキな時間があるので好きだ。タイトルにもなっている「天体の回転について」は、ほんとに軌道エレベータ<天橋立>がメインの話でただひたすらエレベータに乗っているだけなのだが、その間に語られる宇宙に関する知識がなんともいえず楽しい。それでいて、どこか物悲しい、過去への哀愁にも似た絶望感が漂いながらも、一片の残された希望(なのかどうかはわからないけど)のある、よくできた物語だった。何かの終わりは、別の何かの始まりでもあるんだろうな。

「時間争奪」は不思議な話だった。<川はどこから始まるのか>、この質問の別回答なんて今まで考えたこともなかった。理解するのが難しかった。主人公もそうなのだが。それはともかく、クトゥルー好きがにやりとするような描写があって愉快だった。俺たちには逃げ場なしなのか、ああ、恐ろしい、恐ろしい。

小林泰三氏の作品を読むのが初めて(「玩具修理者」はDVDだけ見た)だけど、かなりいいね。他の作品も読んでみたい。










『宇宙旅行はエレベーターで』『天体の回転について』購入

投稿日:2008年05月09日(金)

注文した。届いた。今から読む。

ブラッドリー・C・エドワーズ、フィリップ・レーガン、関根光宏訳『宇宙旅行はエレベーターで』
小林泰三『天体の回転について』

先日読み終えた『パラレルワールド』で、SFと現実の境界がかなりあいまいになってきていることがわかり、知的好奇心をくすぐられまくってむずむずしたので衝動買いした。今回は宇宙エレベーター関連の本を選んでみた。いわゆる軌道エレベーターのことね。ちょっと昔の常識だと、軌道エレベーターは材質の問題で実現不可能の夢物語ということになっていた(と思う)。しかし、どうやら最近、科学(?)の進歩によって話はだいぶかわってきているらしい。ということで『宇宙旅行はエレベーターで』を購入した。わくわくするね。

それと、通販サイトでいっしょにおすすめされていた小林泰三『天体の回転について』も購入した。こちらはSF小説のはず。なぜこの本? と思ったらこれも軌道エレベーター絡みのストーリーらしい。よくわからないけど表紙のアニメ絵のおねーちゃんがかわいいのでまあいいやと。小林泰三って誰だっけと思ったら『玩具修理者』の作者の方かな。本は読んだことないけどDVDは見たことがある。けっこう好きなんだ。小林泰三氏の小説を読むのはこれが初めてになるのね。

どんな衝動買いだ、いったい。これから読む。

『パラレルワールド』

投稿日:2008年05月08日(木)

GW中に買って、やっと読み終えた。

ミチオ・カク著、斉藤隆央訳『パラレルワールド 11次元の宇宙から超空間へ』(NHK出版)はタイトルを見るとSF小説あるいはちょっと前に「トンデモ本」と揶揄された類の本かと思ってしまう。しかしこれはれっきとしたサイエンス・ノンフィクションなのだ。ちなみけっこう高い本(2300円もする)。

正直、というかこんなところで見栄を張っても仕方ないのだが、書いてあることはまったく俺の理解を超えている。相対性理論とか量子力学とかM理論とかいわれても、さっぱりわからん。量子テレポーテーション? 巻き上げられた次元? なんだかぜんぜんほんとにまったくわからん。SFの空想かと思っていた並列宇宙とか多世界宇宙とかが現代進行形でまじめに研究されているということに驚いた。びっくりした。愕然とした。俺が部屋に引きこもっている間に世界はずいぶん変わっていたようだ。

さっぱりわからないけど、途轍もなく面白い本だった。SF小説を何十冊読むよりずっと面白い。内容はわからないのに最後まで読み通すことができた。ものすごく陳腐な言い回しになるけど、この本が理解できるだけの知性が俺にあればよかった。およよ。

俺はボールを受け止めた

投稿日:2008年05月04日(日)

確かに受け止めた。投げられたのだから、受け止めた。受け止めたボールはどうしてくれようか。俺はそれを握りつぶそう。握力には少しだけ自信がある。渾身の力をふりしぼる、とはまさに今使うべき言葉だろう。俺はボールを握りつぶそうとした。無理だった。俺の握力では無理だった。握りつぶせなかった。

潰せないボールになんか興味ない。ならば、このボールを投げた主を捕まえよう。いったいどんな奴がこんなボールを投げたのか。俺はそいつを捕まえて顔を見てみたい。どんな顔をしているのか。口の臭いはどうだろう。どれぐらい鼻毛が伸び、鼻糞が溜まっているか。耳垢はどうだ。白髪の数は。あるいは、下着ごとズボンをずりおろし、そこにどんなペニスがぶら下がっているのか見てみたい。ケツを広げ、肛門の周りの糞の拭き残しを確認したい。そして、もし色欲の情にかられたら、そのまま犯したい。

しかし、どこを探しても、ボールの主は見つからない。誰が投げたかはわかっているが、その実体がつかめない。いや、本当は実態というべきか。いったいどこにいる。本屋の棚からごっそり抜き出してレジカウンターに突き出せば、捕まえられるのか。狩るだけ狩って、本棚の前に干しておけば、干からびたそれが水を求めて夜な夜な徘徊するかもしれない。

そうなると、この手の中にあるボールはもういらない。投げ返すのは、負けたみたいで悔しい。だから、俺はくるりと後ろを向いて、さらに遠くへ投げつけてやる。

次は誰が受け止めるだろう。



高橋源一郎『一億三千万人のための小説教室』

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