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ゆっくりと小説を書こう

小説の書き方やお役立ち本などを紹介するBlogです。「小瀬朧」名義で第9回ビーケーワン怪談大賞をいただきました。twitterでtwnovelや短歌などを発表中。

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投稿日:2024年11月23日(土)

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ノートパソコンもう一台

投稿日:2009年01月02日(金)

昨年末、メインのパソコンが壊れて、部屋から発掘したサラリーマン時代のノートパソコンに移行したわけだが、その後、大掃除をしていたらもう一台ノートパソコンを掘り起こしてしまった。

薄汚れたパープルのボディのそいつは初めて買ったノートパソコンだ。1999年に買った記憶があるので、今年でちょうど10年目になる。ちなみに機種はSONYのVAIO。当時は大人気の商品だった。

電源をつないでみると、うんともすんとも動かない。本体と電源コードを優しくさすっていると、そのうち起動するようになった。ヒーラーとしての力は電化製品にも通用するらしい。ハングアップしたんじゃないかと思うぐらいの時間をかけて、Windows2000が立ち上がる。1999年にWindows2000はないので、これはOSだけ別に買って自分でインストールしたのだろう。今と違って昔は新しいものが好きだったのだ。

マイドキュメントを開いて、ファイルのタイムスタンプを見ると、最後に使ったのは2004年だった。全体として動作がもっさりとしていて、フォルダを開くだけでも無駄に時間がかかる。よくこんなマシンを仕事に使っていたと思う。こいつに比べれば、今使っているノートパソコンは夢のスーパーコンピュータだ。

さて、こいつの使い道に迷う。

使い道といっても、本来の役目はとうの昔に終えてしまい、ゴミの山で眠りについていたマシンだ。これといった使い道なんかあるわけがない。かといって、どこかに売り払ってしまうのも忍びない。

だから、また寝かせた。先送りだ。



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長い夢

投稿日:2009年01月02日(金)

いろいろ、見てきた。

【太歳を掘る】

 そこは白い墓石が櫛比する墓地だった。青空の下、幾人かの子どもたちが無邪気に遊んでいる。私はその様子を傍らから眺めて微笑んでいた。
 子どもたちは土を掘り始めた。墓地でそんなことをするなんて、子どもたちはまだ恐れを知らないのだなと黙ってみていた。子どもたちの掘る穴はみるみるうちに大きく、深くなっていく。
 一人の子どもが何かを掘り当てた。それは白くてぶよぶよするモノだった。表面には無数の黒い点がついている。傷つけないようにそっと土をどけていくと、それは子どもの頭ぐらいの大きさで、リンゴのような形をしたモノだった。子どもたちは歓声をあげた。
 それは指で触ると作りたてのゼリーのように全体がぶるぶると震える。子どもたちが私に聞いてきた。
「おっちゃん、これなあに」
「それは、太歳かもしれないね」
 太歳は、たしか中国の伝説に登場する謎の生命体だったと思う。
「これってなんかヤバイの?」
「……大丈夫だよ」
 私は嘘をついて、子どもたちの好きにさせることにした。
 誰かが棒でつつくと穴が開いてしまった。しかし、その穴は瞬く間に塞がってしまい、かわりに奇妙な盛り上がりが生まれた。盛り上がりに切れ目ができ、そこからゆっくりと開きはじめ、それは一つの目になった。
 太歳の目がじっとこちらを睨んでいる。



【ロープ】

 巨大な倉庫のような薄暗い場所にいる。立ち並ぶ深緑色のスチールラックにはドライバーやペンチ、ノコギリやトンカチといった日曜大工の用品が大量につり下げられていた。それぞれに値札がついているので、倉庫のようではあるが、ホームセンターなのかもしれない。人の気配はまるでなく、ただ寂寥感だけが充満している場所だった。
 そのとき携帯電話がなった。非常に古い機種だった。10年ぐらい前に初めて買った携帯だ。
「あのね、明日学校でロープが必要なの。なんとかならないかな」
 懐かしい女の声だった。高校時代、同じ合唱団にいたSだ。10年以上も連絡をよこさなかったくせに、こういうときだけは頼ってくるのかと私は気分を悪くした。
「今、ちょうどホームセンターにいるんだ。目の前にロープがたくさん売っている。キミも買いに来ればいい」
 必要なら自分で買いに来いと私は思っていた。携帯電話からは何か返事があるのだが、すでに理解できない言語となってしまっていた。
 私は眼前につるされた緑色のロープの束を眺めながら、Sが来るのをずっと待っている。



【排斥】

 教室で突然、覚醒した。自分を縛り付けていた呪術のような緊縛から不意に解き放たれた。
 そこは懐かしい中学の教室であったが、皆がしていることは、スケッチブックにクレヨンを使ってのお絵かきだった。その姿は、保育園のときの記憶に合致している。一心不乱にクレヨンをこすりつけている同級生たちに向かって、私は一つの提案をした。
「もうあいつのいいなりになる必要はない。自分たちの力で追い出してしまおうじゃないか」
 そのとき私は教壇に立っていた。同級生のはずなのに、まるで自分が教師になったような視線だ。皆が私を不思議そうな目で見る。
「あいつを追い出すための詩を書くんだ」
 教室が歓声に包まれた。皆が教室の黒板や壁や窓に、思い思いの詩を書連ねていく。
 
 
     おまえの瞳が美しいのではない
           そこに映る空が美しいだけなのだ


 そして、教室の扉が開き、あの女教師が現れるのを、皆と一緒に待っている。


 
 

小説のために役立った本

投稿日:2008年12月31日(水)

小説に対する理想や個人の小説観の構築のためではなく、実際に小説を書くという行為において役に立ったのは、シナリオ関係の本がほとんどだ。もちろん、シナリオの書き方を学ぶのではなく、ドラマ(ストーリー)の作り方を学ぶためにである。

最も基本なのは新井一氏のシナリオの基礎技術だ。とはいっても、たいていの方はすでに読んでいると思う。私が知って買っているぐらいだから、本当に有名な本なのだ。購入したのは2005年だが、当時、小説を書くために役立つ本はないか、と人にたずねたとき必ず名前が挙がったのが本書である。

ところが、上記の『シナリオの基礎技術』はまじめすぎて、本当の初心者にとってはいささか難しい。内容も300ページを超えるボリュームなので通読するのも一苦労かもしれない。そこで見つけ出したのが、彩流社から出ている増補版・「懐かしドラマ」が教えてくれるシナリオの書き方 (オフサイド・ブックス) だ。

本書では「お気楽流」と称して、初心者でも簡単にシナリオが最後まで書ける方法を教えてくれる。書名に「懐かしドラマ」と入っているように、国内の有名ドラマを例に挙げて具体的に解説しているのがポイント。ただし、どちらかというと、本書で目指しているのはごく普通のテレビドラマ的なシナリオなので、「今までにないような」という意味でのオリジナリティあるシナリオを書こうとしている人にとっては少々不満を与えるかもしれない。そういう人は、先にあげた『シナリオの基礎技術』でコツコツ学べばいいと思う。手っ取り早くストーリーを組み上げたいなら、本書『「懐かしドラマ」が教えてくれるシナリオの書き方』が一番いい。ただし、本書の場合は原稿用紙の使い方や基本的なシナリオ作法についてはあまり触れていないので、本当にシナリオを書こうとしている人は別の本も必要。

シナリオ関係の本なら他にも良い本がいろいろあるけれども、私自身がそれにふさわしいレベルに到達していないので、今のところ安易な紹介は控えようと思う。

小説で悩むのは「何を書くか」と「どう書くか」の二つだ。その「何を書くか」、つまりどんなストーリーにするかは、シナリオ関係の本で学べる。「どう書くか」とは、どう表現するか、演出するかという問題になるので、これはプロの小説をよく読んで分析するのがいいと思う。

文章の書き方については、また別の記事にするつもりだ。



 

年末は忙しい

投稿日:2008年12月30日(火)

自分ではそんなつもりはなくても、だ。

そもそもヒキコモリニートなので年末年始どころか土日祝祭日すら関係のない生活だ。のっぺりとした時間が凄まじい勢いで過ぎ去っていく日々。

今日は地元の子どもたちが古いおふだやおまもりを集めてまわっていた。それで、ようやく今日が12月30日だと気づいた。正式な名前は知らないが昔から「おおはらいしき」と呼んでいる行事だ。地元の諏訪神社で燃やす。

妹夫婦が大掃除をするということで、また姪を預かる。姪は私のことが大好きなので、おいちゃんおいちゃんだっこだっこ、と飛びついてくるからうれしい。

姪と一緒にスーパーへ行けば、キティちゃんの698円もするおもちゃを抱えて、買って、とせがむ。そんな大金は持っていないので、なんとかだましだまし、105円のスーパーボールセットにしていただく。カラフルなスーパーボールだけど、もしかして飴玉と勘違いしていたらどうしよう、と心配していたら、家に帰るなり、ボールボール、といいながら投げつけてきたから安心した。部屋にスーパーボールが散乱した。

姪は最近、水木しげるの『妖怪画談』がお気に入りだ。あと、怪奇系の本いろいろ。もちろん、意味はわかっていない。

で、いつの間にか夜になっていたり。

今日は部屋の掃除をした

投稿日:2008年12月29日(月)

何年ぶりかわからない。

掃除をしたことによって、部屋がやっと「ゴミ屋敷」レベルにまで片付いた。一人しか入れなかった部屋に、今ならあと一人、片足を入れることができる。

もう全部捨てたい。

何もない、真っ白な部屋に憧れる。その部屋にはただ一つの窓だけがあって、いつも青空が見えている。そこにいれば、自分はきっと幸せになれると思う。

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プロフィール

HN:
小瀬朧
性別:
男性
自己紹介:
創作怪談、twitterの短文小説#twnovel、短歌など。
メールでのご連絡は benzine100@gmail.こむ スパム対策なのでこむをcomにかえてください。 


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